決断に自信を持てるタイミングは人それぞれ

大きな買い物をすることに、どこか罪悪感がある。


我が家では3年使っていた敷き布団がヘタれていた。寝づらくてもだましだまし使い続けていたのだけど、ここ1ヶ月ほど朝起きたときの肩こりと腰痛がひどくて、さすがに重い腰をあげて買い替えを決意した。

ニトリに行ったり、オンラインで散々調べたりしたのだけど、どうも決めきれなくって夫に相談。一緒に百貨店の寝具売り場にでかけることに。

「これがネットで見つけたやつだよ」
そう話しながら見ていると、男性の店員さんが声をかけてくれた。「すみません」が口癖の、とても低姿勢な方。

「どうぞ試してみて下さい」
どうやら試寝ができるようだ。実際に寝かせてもらい、感想をぽろりと口にすると「ではこちらの商品はどうでしょう」と高い棚から大きな布団をよいしょっと取り出してくれ、全部で6種類も紹介してくれた。体格に合う布団を熱心に一緒に探してくださった。

ただ、なかなか決断ができない。簡単に出せる金額ではなかったし、一晩寝かせて考えたい性格なのだけど、親身に対応してくださった相手に「ちょっと考えます」と言うことは心苦しかった。

結局、すでに心が決まっていた夫の布団のみ購入し(彼は決断が早いし、いろいろ悩まない)、私の分は一晩考えることに。うまい落とし所があってほっとしたのだった。


百貨店を背に歩きながら、私はどきどきしていた。

買ったのは彼の布団にも関わらず
「本当に買ってよかったのかな」
「ネットでもっと安く買えたとしたら、ショックだな」
と検証をつづけていた。

そんなとき、タイミングよく見かけたのがこのツイート。

ふわああ、と思った。

奇跡かというほどのデジャヴ感マックスゆえに、双方の考え方の違いがくっきりと浮かび上がって感じられた。

私は、「できる限り安く買いたい」と金銭的な損得に集中していた。その分、買ったものへの愛着や、これからもたらされる幸せや喜びに目を向けることを後回しにしていた。

ここで「後回し」と書いたのには理由がある。


あのあと一晩考えて、ようやく買おうと決めて
翌日、わたしは同じ百貨店で自分の分を購入した。

家に帰って袋から取り出した布団にカバーをつけて、そっと寝転んだ。

最高だった。思い切っての奮発だったけど、これから毎晩、そして何年間かこの寝心地を感じられるかと思うと、買ってよかったと思えたのだ。

一日遅れはしたけれど、愛着や幸せと喜びが、ちゃんと私の元へとやってきた。


思うに、満足感や納得感が訪れるタイミングは人によって違うのだと思う。下した決断が大きければ大きいほど、その差は広がる。

「自分の決断は間違いなかった」と買ったときにすぐ思える人もいれば、私のように考え直して時間をかけて実際に自宅で味わってから初めて思える人もいる。しばらく使い続けてから、そう思える人もいるかもしれない。

すぐに「間違いなかった」「いい買い物をした」と思えないのは、ネガティブなのでもケチくさいわけでもない。

ただタイミングがちがうだけ。

自分のペースで、自然と思えるときまで待つだけだ。


うん。めちゃいい買い物ができたよ。

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