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昔と比べて今は幸せ。それって本当?

「古い価値観がどんどん変わっていって今は幸せな時代だ」と言われることが多い。でも本当にそうなのだろうか。


つい最近、映画「この世界の片隅に」を見て、原作の漫画も読んだ。

当時の生活の描写にはハッと気づかされることばかり。本当に今は便利な時代なんだなあと改めて実感させられる。

たとえば洗濯。
漫画では水を張った木桶に服をいれて足で踏んで洗っていた。

そして精米。
漫画では瓶に入れた玄米を棒のようなものでつついて精米していた。

これ、1945年と考えても、たった70年前の話。100年も経ってない。私のおじいちゃんおばあちゃんが子どもだったころ。
ほんの数十年で本当に便利になったんだなと実感する。


家事の負担が減った私たちは、その分の時間を他のものに費やすことができるようになった。女は家を守ると言われてた時代もあったけど、女性が会社で働くのも普通になった。

それはとてもありがたいことだ。いろんな人たちのおかげで生活は便利になったし、いろんな人たちの努力のおかげで女性の社会進出が叶えられていった。

だからこそ、こんなこと言うと軽蔑されてしまうかもしれないけど、私は昔を生きたおばあちゃんをかわいそうだなと思っていた
義実家に住み、すべての家事をしなきゃいけなかったおばあちゃんを。
海外旅行に行きまくって、将来は東京でバリバリ働きたいと言っていた大学時代の私に、「洋子は男に生まれればよかったねえ」と言ったおばあちゃんを。
おばあちゃんも選択肢がある自由な現代に生まれればよかったのに。そうすれば好きなことができたのに、と。

でも本当に、昔と比べて私たちは幸せなのか?
昔を生きていた彼らは幸せじゃなかったのか?


数十年後の未来を想像する。たとえばAIや人工知能が発達して仕事をしなくて良くなって、人間の寿命も伸びて。
そんな時代を生きる未来の人たちに「昭和や平成生まれの人たちは仕事もして寿命も80年でかわいそうだね」と言われたとしたら?「いや、私の人生幸せだったよ」と思うのではないだろうか。

そりゃいろんなものが発展した未来を見てみたい思いはあるけれど、生まれた時代を懸命に生きていたら、どんな時代も悲しいこと・嬉しいことどっちもあり、それが幸せなんじゃないだろうか。


昔と今、どっちが幸せ?と比べること自体、愚問なのかもしれない。

間違いないのは社会はどんどん変わっていくということ。数十年単位で。

自分が命を終えるとき、おばあちゃんに「社会はこんなふうに変わって、私はこんなことをしてきたよ」と胸を張って言えるように、今の時代を生きたい。

そんなことを考えさせられた作品でした。

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