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【考え事】共感アンテナ

 情報収集のために日々アンテナを張っている人は多いだろう。街行く人や、建物や看板などの観察を行いながら、企画のアイデアやヒントを探しているかもしれないし、話のネタになる小さな事件を探しているかもしれない。

 そうしたシーンで目に止まる事柄は、もしかしたらその人が普段考えている内容に影響されるのかもしれない。SNSのタイムラインを追いかけて目に止まる記事や、webで情報収集をしていて気になる記事も同様だろう。

 リンゴが木から落ちるのを見て、『月が地球に落ちてこない理由』に結びつけられる人はそう居ないだろう。結びつけられたからこそニュートンは偉人なのである。彼は普段からそういう内容を頭の中で考えていたからこそ、リンゴが木から落ちるのを見て電撃が走ったのだろう。木から落ちるリンゴを見て、リンゴの色が気になる人、子どもの晩ご飯が気になる人、台風が思い浮かぶ人、俳句が思い浮かぶ人など、同じ風景でも普段から考えている内容によって見える景色が違うのだろう。

 そうしたアンテナは、実は『自分が気になっている内容を肯定する方向』にしか反応しないのではないだろうか。占いの文章を見ても、『そうそう!』と共感できる内容にのみ反応し、頭の中で自分の考え方を支持する意見として変換されてから、記憶にしまわれるのかもしれない。客観的に意見を聞き入れているつもりでも、情報の選択の過程や、その中で気になる内容は無意識のうちに自分の興味に寄せられているのかもしれない。

 全方位的なアンテナを張ることはできないと考えた方が良さそうだ。

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