【天気】なぜ暖かくなると強い雨が増えるのか（その１：温暖化）
■ 50年に1度の大雨が増えている理由
前回・前々回と、「なぜ50年に1度の大雨が毎年のように起こるのか」について書いてきました。今日はそのメカニズム編といった位置付けで、「温暖化により強い雨が増えているのはなぜ？」という点について書いていこうと思います。
こちらの記事の根本の疑問は、「50年に1度の大雨って毎年のように聞くけどなんで？」というものでした。それに対する回答として、以下のようなまとめを行いました。
・50年に1度の大雨は、約100年間の過去の雨量の観測値から統計的に求めている。
・しかしそこには「近年気候変動の影響により大雨が増えている」という効果が加味されていない。
近年は肌感覚としても実際の数字を見ても強い雨が増加しており、過去長い期間のデータで求めた「50年に1度の大雨」を超えるような雨も数年間で何回も出てきたりしています。
こうした異常気象の増加は、地球温暖化による気候変動の影響を受けていると考えられていますが、「地球が温暖化しているから強い雨が増えるんだよ」と言われてもピンと来ない方も多いと思います。
そこでここでは、「地球が温暖化する」→「強い雨が増える」の間の部分を、少し自然のメカニズムを交えながら簡単に解説したいと思います。また何回かに分けて書きます。
■ 地球が温暖化するとは
はじめに地球が温暖化するってどういうこと？という点を考えてみましょう。これはもう論文数百本とか書籍1000冊とかそんなレベルで議論されている内容なので、細かく追及しようと思ったらキリがないですね。本気でやるとそれだけで人生が足りません。
という事で、ざっくり分かれば良い我々は、いつも通り彼を頼りましょう。そう。Wikipediaの1文目です。彼の安定感たるや、いつも大変お世話になっております。
地球温暖化（ちきゅうおんだんか、英語: Global warming）とは、地球の気候系の平均気温が長期的に上昇することである。
キターーーーーー！カッコいい。言い切ってくれている。。(´;ω;｀) ということで、地球温暖化とは、地球の気候系の平均気温が長期的に上昇することですね。はい、分かりました！それを妄信して先に進みます。
■ 実際に温暖化しているのか？
実際に世界の平均気温が長期的に上がっているかどうかは、以下のグラフで一目瞭然ですね。ここ100年間で0.74度上がっています。
ちなみに日本はと言えば、もっと急激に上がっています。この100年で1.24度。しかもこの図をみると、1990年頃に何かジャンプしてますね。。
はい。という事で世界でも日本でもこの100年で見ると平均気温が上昇しています。つまり温暖化が進んでいると言えますね。IPCCの第5次評価報告書でも以下のように言われています。
気候システムの温暖化には疑う余地がなく、また1950年代以降、観測された変化の多くは数十年から数千年間にわたり前例のないものである。
■ 気温だけではなく水温も
地球温暖化で平均気温が上昇するのは分かりやすいですが、実はもっと気を付けなければいけないのが海面水温の上昇です。海面水温も気温と同じように、長期的に見ると着々と上昇しています。
これは結構いやな傾向でして、気温が上昇するより海面水温が上昇する方がマズいんですね。なぜマズいか。空気と水の比熱の違いです。
物質が温まりにくい性質は「比熱」で表され、水を1とした場合、空気は0.24。1グラムの物質を1℃上昇させるために必要な熱量です。この数字では4：1の差しかないように見えますが、空気の比重は水の800分の1程度ですから、体積当たり（例えば1?）で考えると水は空気の3000倍以上の熱容量（熱を蓄える能力）があるのです。つまり水は少々の熱を吸収してもあまり温度が上がりません。
つまり空気より水の方が温まりにくく冷めにくいので、一度水が温まってしまうと冷めにくいんですね。空気は多少温まっても冷やすことができるのですが、海水が温まってしまうと冷やすのが大変だという特徴があります。。ご存知の通り地表の約70％は海なので、一度海が温まってしまうと地球が蓄える熱が多くなってしまい、温暖化を加速させてしまう可能性があります。
■ まとめ
では、今日の内容をまとめます。
・地球温暖化とは、地球の平均気温が長期的に上昇することを言う。
・実際に地球の平均気温はここ100年間で0.74度、日本ではここ100年間で1.24度上昇しており、温暖化には疑う余地がない。
・地表の気温とともに海面水温も上昇しており、ここ100年で0.55度上昇している。
・水は空気の3000倍以上の熱容量（熱を蓄える能力）があるため、海が温まってしまうと冷ますのが大変。
今日は温暖化の話で終わってしまいましたが、次回はこの続きで温暖化と雨との関係を見ていこうと思います。
それでは！(^-^)
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