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無のモッツァレラと高校、それからの未来

インフルエンザになりました。

2日前くらいから風邪っぽくて、解熱剤を飲んで乗り切っていたのだけれど、今朝なんかめっちゃ熱あるなって思って測ったら38.3℃あって、わ〜〜〜終わった〜〜とあわてて徒歩圏内の病院に電話をして予約をとり、ゆっくり支度をしてからきてくださいね、と言われたのに熱で頭がぼんやりしていて上着を着るのを忘れ、靴下を履くのを忘れてサンダルで行って、12月の寒空をふらふらと寒いって思いながら足元だけ見て歩いて病院に行ってきた。

行ったらすぐ隔離されて、しばらくしたら全身真っ青の布?不織布的なもの?をまとって目だけ出している(透明なめがねのようなものをしているから露出しているわけではない)先生がやってきて、症状を聞いてきたのだけれど、わたしはサイトで見てこのひとは旭川医大を出ている人だと知っていたので、いとこの先輩…いとこの夫の先輩…と思ってしまって熱でぽやぽやしている頭でさらに考え事をしているからものすごくぽやぽやぽやと答えて、気がついたらインフルエンザの検査の棒が鼻に突っ込まれていた。「ふわあああ」と声が出て、抜かれて、しばらくしたらインフルエンザA型ですと言われて硬い丸椅子で待たされて、お尻が痛くなってきて、その痛みはトイレ行きたいに変わっていって、でもトイレに行ったらすごい消毒とかされちゃうんじゃないかと不安でじっとしていて、トイレ行きたい、トイレ行きたい、で頭がいっぱいになりながらお金を払って、お金足してもいいからトイレ行きたくて、でも言えなくて、病院を出た。

薬局はすぐ隣なのに遥かに遠い気がして、ドアを開けた途端に「トイレ行きます!!」と言ってお手洗いに駆け込み用を足してから処方箋を出して、外の席で待っていてくださいと言われたけれど外に席はなく、玄関ポーチ(入口が二重ドアになっていて最初の空間)には椅子があって、そこでいいのか?と思って座って、あ〜〜お手洗いって消毒しなきゃならないのかもな〜〜ごめんな〜〜と思ってしまって、それで頭がいっぱいになるかと思いきや頭はぼーっとしているので親御さんがお子に「ニュージーランド」を8音として教えていて、ニュ、で一文字と数えるのが俳句とか短歌の音の数え方だよってずっと気になっていて、そのあとぼーっとして老後みたいな日当たりに眠りかけていて、薬をもらって下をむいて家まで帰ってすぐに薬を飲んだら熱が下がってやたら元気になって、冷蔵庫に入っていた謎のサラダを食べたら全然おいしくなくて、なんの葉っぱなのかわからないでかくて火の通ってない白菜みたいなじゃくじゃくする葉っぱを少ないドレッシングで食べて、ところでモッツァレラチーズってどれ?と思ったら白いちいさな粒々が入っていてそれがモッツァレラらしくて、モッツァレラちいさい!モッツァレラのモッツモッツした噛みごたえが無じゃん、ためしに無のモッツァレラをいっぱい集めて口の中に入れてみたら無が集まっただけで、無+無は無でしたみたいな話だ〜〜〜あ〜〜インフルエンザで人にお祝いしてもらう予定が二つぶっ飛んだ〜〜〜と無のモッツァレラから悲しいことが連想されてみんなに連絡を入れてごめんなさいと平謝りをした。

それから寝たり起きたりして熱ってこんなしんどいのかって思い、ふだん熱を出さないわたしはそのしんどさにくらくらしながら雷獣の灘にトップで入学した人の人生のグラフをYouTubeで見て、中学受験をしたことのないわたしにはよくわからないのだが、高校受験のことをぼんやり思い出した。

高3の夏にようやく夏期講習というものを受けに行って、授業がとてもわかりやすいことに感動し、そのまま塾に入って勉強してたら志望校を一つ上げることになって、あっ勉強って効率よくやればこんなに楽なんだなって感じて、クラスの席順が前の方だったのにどんどん後ろになっていき、なんでかなと思ったらそれは前から成績が低い子、後ろに行くにつれ高くなるという順であったらしく、わたしはわかりやすく成績が伸びたので気がついたら一番後ろの列にいた。最後の方では特進クラスに行くか行かないかみたいな話がうっすら出たけれどあと少ししか期間がなかったからいいですみたいな感じになったとぼんやり記憶している。入試の後の自己採点ではめちゃくちゃ余裕で合格点に達していて、母に受かったと思うと電話したらとても喜んでいて、わたしにとってはそんなにすごいことと思わなかった(朝消化がいいからとばあちゃんにうどんを食べさせてもらったのだが消化が良すぎてお腹が空いて昼食前の科目でいくつかミスをしていたことが気になっていた)けど、北海道の旭川市周辺においていちばん成績のいい公立の学校といったらここでしょというところに受かったのは面白かった。当時は5%枠という謎のシステムがあり、旭川市から遠くに住んでいる人は全体の5%しか受からないという仕組みだったはずだが、なんかもうそんなの関係ないくらい成績が上がっていたのでとにかく受かってわーい楽しみだ〜と思った。
高校に入ってから同じ塾にいた男の子に話しかけられて、井口さんだよね、よく模試のランキングに載っていた、と言われて、え????なんの話??と思ったらわたしの塾では模試とか試験ごとに順位表が貼り出されていたらしく、そんなこと全然知らなかったし興味もなかったのでへ〜ありがとうって言ったけど、そういうので自信つける人もいるんだろうなとなんか色々考えさせられた。わたしは授業でわかることが増えるのが面白すぎて成績が上がっていったのでライバルとか何も考えたことがなくて、それでも当時特進クラスにいたO島くんがとても頭がいいらしいということだけは聞いていた。彼は東大に行って誰でも知ってる会社に入って研究してていま外国にいるらしい。地球温暖化を止めたい、と彼がいっていたのを時々思い出す。止まるかなあ温暖化。止まるかもね。わたしの歌集が出る世の中だもんな。みんな少しずつ希望を叶えていてかっこいいと思う。わたしの友達は医者になって働きながらパティシェになる夢を捨てきれず製菓学校に通ったらしい。わたしたちの未来は少しずつ思う通りになっていくだろう。けれどたまに小さくて無のモッツァレラチーズを噛んでしまうこともある。それは本当に無なのか、考えるべきなのかもしれない。自分にとって意味づけができればなんでもいいことに変えられるような気がする。無のモッツァレラチーズも、なんか、えー、栄養があるし、えーと、うーん、熱が上がってきたのでここまで!

ものを書くために使います。がんばって書くためにからあげを食べたりするのにも使うかもしれません。