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原材料チェックは私の趣味なのか

原材料これ見るの、もはや私の趣味やから!」
と、たびたび家族に宣言する。


私には魚貝えびかにたこいかetcのアレルギーがある。読みづらいので魚介アレルギー。
生まれた頃から、かれこれ20年↑の付き合い。

「魚介って、全部?」
「そう全部」
「えっ昆布と海苔も?」
「それは海藻やからいけるよ」

このやりとり、年に何回してるだろう。
お相手は老若男女、色んな方が思い浮かぶ。
聞いてくれる人がいるのはありがたい。
ちなみに、味海苔や昆布の佃煮などは、味付けによって食べられない場合もある。

魚介類は和食の定番。

「見えないけど入ってる!」ということも多い。出汁とかエキスとか。添加されてるたんぱく質とかアミノ酸とかの中に。

特定原材料(表示義務がある7品目+表示が推奨されている21品目)にない食材が多いので、食べられる・食べられないの確認は原材料を全部見るしかない。

包装裏・横・底などにびっしり原材料が載っているあれは、原材料名欄という。
私は原材料欄と呼んでいたが、多分正式には原材料名欄、原材料表示。まぁみなさんが分かれば何でもいい。

四角く囲まれた文字の羅列。
あれを指でなぞって読む人はどのくらいいるのだろうか。

ほんとに私の趣味なのかはともかく、この行為はちょっとした趣味にはなる、と思う。


 ***

血糖値だとかカロリーだとかを気にする歳でもない子供が、売り場をウロウロしては立ち止まり、何やら商品の裏をガン見している。

これって絶対目立つ。

そう思って過ごしていた。

他人の目がちょっと気になる子供時代。
今より食物アレルギーの認知度が低かった(平成生まれなので広まってないこともないけど)。

冷やかしでも万引きでもないってアピールしなくては!!と、計画を練って買い物に行っていた。

何か言われたわけでもないのに。
売り場にいる時間は最低限にしたかった。


冷凍食品なら、溶かさないよう目をかっぴらいて速読(※気持ち)。それでも手が凍える。

コンビニ弁当、下から見るか?横から見るか? 他のお客さんの邪魔にならないように、ひっくり返さないように、掲げてチェック
これはどう工夫しても目立つから、素早く実行。でも正確に確実に。

貰い物など、原材料の表示部分(外装等)が手元にない商品。ググる、のち、検討。
企業ホームページの商品紹介や通販サイトなどを巡ると、大体目当ての商品が見つかる。便利。
今は原材料をまとめたサイトもある。

フタに原材料が記載されている商品は、控えめに言って最高。見やすい。触らなくても読める。

じゃがりこが好きだった。
定番味、食べられる、好き。
期間限定味、フタ捨てられたらお手上げ。
たとえ食べられなくても、パッケージが好きだ。

カップの側面に原材料が載っていたら、手に取らないと読めないし、何より速読(※気持ち)が出来ない。湾曲している文って、視線の往復がなんかしんどい。

食べられるものは少ないけど、同じ理由でカップヌードルも素晴らしいなぁと思う。
フタ上表記バンザイ。
棚に積み上げられ背が届かずフタが見えないなんて幼少期のちょっと悲しい思い出は忘れるものとする。


閑話休題。


ほぼ確実に買うものだけを手に取って行なう、(側から見ると)奇妙な確認作業。
それが原材料チェック。

そして、買った後にもう一回、

「いけるよな?」

「入ってないな?」

「よしいける!」

と読み直して、OKならいただきますバクリ。
「確認ミスってた!」という時は食べずに家族友人に譲る。無念。


これだけやっても死にかける時は死にかける。


救急車にお世話になったことはないが、気管が狭まる感覚は「量がもう少し多かったら死んでたかも」と思うには充分。

見た目や磯の香りなどで食べる前に気付くものもあるが、出汁やエキスは作った側から提示してもらわないと分からない。

とんこつ・鶏ガラを名乗ったスープであっても、魚介を仲間に従えている時がある。入ってないとは言ってない。

焼きおにぎりでも野菜炒めでも、カレールーにも焼きそば麺にも、
入ってる商品には入ってる。入ってない商品には入ってない。

当たり前のことだし、嫌なわけでも変えてほしいわけでもない。
ただ、自分は注意して過ごさないといけない。

魚醤に白子由来蛋白たんぱくに貝エキス。確かめるには原材料名欄を見るしかない。
(原材料の一部にさばが含む)」のなんと多いことか。それが日本。これが島国だし文化。
日本においてやつらは万能すぎる……食べられる人は大事に味わってあげて。

長年使っている調味料でも、食べたことがあるお菓子でも、原材料が増えたり変更されていることはままある。サイレント。察知能力が大事。いや食べる前に絶対確認するという習慣が一番大事。物価の変動に対応するためだろうから仕方ない恨んでない。

恨み辛みはともかく、サイレント変更が頻繁に起こるようになってから、原材料を読むのが面白くなった……気がする。これにも入るのかと。ヤケになったのかもしれない。楽しいかと言われるとものすごく微妙。時と場合による。

食物アレルギーを持っている人も、自分が食べられるであろうものは確認しないと思う。

例えば私の場合、スイーツはほぼ確実にいける。
「これ何が入ってるんだろウマ(もぐもぐ)」ということが出来る。何も気にせず摂取できる唯一のもの。
正体を知らないまま口にして、美味しいとか不味いとか、中にこんなものが!と楽しめるのは、とても楽しい。
この幸せは、アレルギーのない人から見落とされがちな気がする。いや、ある人だって、自分が食べるものにそこまで意識を向けてないかもしれない。私も他のアレルギーについては知らないことだらけだ。

私にとってノー負担な、甘いもの。
食べているうちに、何がこんなに美味しくさせているのか気になってくる。
何でも内容を知った上で摂取してきたから、知らないのヤバくない? という思考が働き出す。
原材料を確認するようになった私を見て、家族から「あれ? え? それは食べれるやんな?」と確認され、冒頭の「趣味です!」発言。
食材や味付け、添加物にちょっと詳しくなった。気がする。

甘いものでもダメな場合はゼロではないので、一応ちゃんと危機回避にもなる。
タピオカをイカスミで黒くしてるケースがあるって話は色んな方が言ってバズってたしご存知の方も多そう。※そういう商品があるだけで専門店のは黒糖オンリーと思われる。

サプリや化粧品でも見る。

例えばDHAサプリは魚油が入っているので摂れない。
DHA、ドコサヘキサエン酸。私はえごま油とかで摂っている。(追記:えごまで摂れるのは、DHAを体内で作るときの原料となるα-リノレン酸)

軽いアボカドアレルギーもあるから、化粧品の成分表はがっつり確認。
ついでに、荒れたことのある商品の中身たちを比較して、何が原因か推理したりする。※皮膚科に行こう。


食べ物でも調味料でもサプリでも化粧品でも、いちいち読んで確認してまた読んで——というのは、とても面倒。
でも「買った時に読み逃してる」可能性はゼロじゃない。

めちゃくちゃお腹空いた早く食べたい!って時も、何も作りたくないけど食べなきゃ!って時も、入ってないよね?とワンクッション置くのは重要なこと。

少し変でこわい言い方になるけど、殺されたくないし殺させたくない。責任持って表示してくれたものを、責任持って確認する。

もともと生きる為に必要な作業。生まれた頃から徹底している習慣。でも、これはもう趣味。何でも中身確認をする習性持ちなの。
こう思ってやってる方が面白いし自分には合ってるなと考えるようになった。

原材料表示全文を一般人よりは早く黙読するスキル……パッと見で魚介を発見するスキル……リニューアルで具体的に何の材料が変更になったのかわかるスキル…………
原材料チェックするだけであらゆる(?)能力が開花するのだ。
こんなに楽しい習慣趣味ってあるか? 料理の参考になったりもするんだぞ?
と。

食べられなければそれはそれで面白いというか。なんでこの商品に入ってるの?!と予想が外れたら、家族にどんな味になるのか尋ねたりする(※食べられない料理の食レポを聞く趣味もある)(味や食感を想像するための情報収集)

原材料チェックをしなくていい人達を羨ましいと思うことはある。
実際に食べるかは別として、何でも食べられるなんて、みんなすごすぎない? ビュッフェとかバイキングとか、自由の象徴として掲げていいよ。そう考えると闇鍋も高等な遊戯なのではなかろうか……と言ったら家族にめちゃくちゃ否定された(私もやるつもりはない)。

 *****

原材料チェックは趣味になる。

食べ物への知識が高まるかもしれない。
文字を読むのが早くなるかもしれない。
献立のバリエーションが増えるかもしれない。
かもしれないづくしの趣味だ。

使われている食材を知るのは面白い。
食べられるものを見つけ出すのは、競技っぽくて面白い。

でも、

この行為をストレスにしないための自己暗示……なのかもしれない。

趣味でも暗示でも、今後やり続けることに変わりはない。もっと楽しめるように勉強していきたいと思う。
あと商品触り辛い(原材料チェックやりにくい)社会だからこう、早く終息してほしい。


 *****

最近、家で作ったものだけを食べていると、この趣味が一切出来ない。
寂しい気持ちなどあるはずもなく「やっぱ何も確認しなくてもいいの快適だな〜」と思う。

ただ、お取り寄せにハマった頃に、各企業のホームページを比較する趣味が増えた。
昔から原材料表示をしていてお世話になっているサイトもあれば、最近表示されるようになったものもある。

あと、甘いものは大好きだけど、無くても平気だということが判明した。
甘党だと思っていたのはノー負担なのが嬉しかったからだった……これこそ暗示……?

こうやって、思い込んだり思い込むのをやめたりを繰り返すことが、楽しい日々に繋がっているのかな。

 *****

読みづらいことこの上ない記事だけど、書けて満足。(出来れば修正していきたい)

読んでいただき感謝。

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