言葉の宝箱0764【お金は強いけれども、魔力のような恐ろしさも併せ持っている。その魔力に取りつかれると、ふり回されて、自分さえ見失うことがある】

『伝説のエンドーくん』まはら三桃（小学館 2014/4/14）

『エンドーくんは、体育祭の星』『エンドーくんの愛はふめつ』
『エンドーくんはお金よりつよし』『エンドーくんは変化をおそれない』『エンドーくんは、魔王にかつ』『エンドーくん誕生』
『百周年にエンドーくんは』の七部構成。
生徒と先生が中学校時代を生き抜くための指南書。

あとがきに、こうある。
・「みなさんが、この先、もうだめだと思うほどつらいときには、公衆電話をかける十円だけ残しておきなさい。そして私に電話をかけてきなさい。痛みがなくて、誰にでも見つからない、よい人生のとじ方を教えてあげますよ」（略）つらいことがあるたび、苦しいことがあるたびに。どういう方法なのかと考えましたが、わかりませんでしたし、第一なぜ先生がそんなことを言ったのかも、謎でした。けれどもこのごろ、なんとなくわかる気がしているのです。E先生は、死にたくなるほどつらくなったときには、いったん、立ち止まってほしかったのだと思います。自分の言葉を思い出すことで、ほかにも大切なことが、ふいに思い出されるかもしれないし、少し、落ち着くかもしれません（略）それらは、弱った心にわずかな力を宿らせるには、十分な頭の整理だったのだと思います　P269

 ・お金は強い。この世のたいていのことは、お金にとってかわられる。
人のあらゆる欲望を形にしてくれる。とても強い。
けれども、それゆえお金は、魔力のような恐ろしさも併せ持っている。
その魔力に取りつかれると、ふり回されて、
自分さえ見失うことがある（略）
子どもたちが、やがてきちんと稼ぎ、得た報酬を
きちんと社会に返していけるよう大人は教えなくてはならないのだ。
お金の大切さとあやうさを。教育はお金よりつよし　P125