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言葉の宝箱0610【無理しなくちゃいけないこともあるんだ】


『神の領域』堂場瞬一(中公文庫2008/10/25)


警察、検察視線からドーピングを扱った陸上競技小説。
『キング』堂場瞬一もドーピングを扱った陸上競技小説、
併読すると興味が増す。

・何かをなくした時、酒に逃げる人間も、異性に助けを求める人間もいる。だが多くの人は、挫折した事実と何とか折り合いをつけようと努力し、
結局はそれもできぬまま、ただ時が過ぎるのを待つしかないのだ。
時間の経過がいずれ傷を癒してくれるだろうと祈りながら P71

・「人はいつか、何かを乗り越えなくちゃいけないということです。
父親とか、神様とかね」言ってはみたものの、自信はなかった。
四十を過ぎてから価値観を変えるのは難しい(略)
バックボーンとなっていた陸上競技の公平性を信じることすら、
不可能に思えていた P415

・「何か、無理してない?」
「ああ。だけど、無理しなくちゃいけないこともあるんだ」 P447



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