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言葉の宝箱0788【一手間でミスがなくなるなら、それはもう手間じゃなくて必要な仕事】


『仕事は2番』こざわたまこ(双葉社2018/5/20)


仕事ができない私は欠陥人間なの?
人生の一番が仕事でないのはいけないこと?
現代人のための疲れた心に寄り添ってくれるお守り的新しいお仕事小説。
『走れ、中間管理職』
30歳を前に断れない性格が災いとなって総務課の中間管理職になった優紀。総務課の人間関係のもつれを解すべく奔走していたが…。
『スポットライト』
いつのまにか仕事ができない老害となってしまい家庭にも居場所がない中年課長内野。昇進も諦め、ただ毎日を過ごしていたが最近はあるやりがいを見つけ…。
『エールはいらない』
残業代も有休も貰えるものはきちんと貰い、したたかに生きていたいと考える沙也。しかしかつて厳しく指導された上司が育休から復帰し周囲は「助け合おう」という空気に満ちて…。
『輪になって踊ろう』
客観的に見れば甘やかされて育った新卒女子・かおりは小さい頃から輪になじめず、コネで入った会社も休職。図書館で出会った小学生の女の子との出会いによって日常が少しずつ変化していく。
『親子の条件』『最後の日』の6話連作短編集。

・ふざけ半分ではあったけど、
その言葉には剥き出しの刃のような悪意が潜んでいた P21

・一手間でミスがなくなるなら、
それはもう手間じゃなくて必要な仕事 P22

・一体いつから、自分が喋る産業廃棄物であるかのように
扱いを受けるようになったのか P53

・自分が本物の「人気者」になれない。
それに気づいたのは、いつだろう(略)
だからこそ、最底辺のほんの少しだけ上の位置で、
馬鹿をやったりふざけたりして生きていく。
それが自分が集団の中でつま先ほどの居場所を作るための、
唯一の手段だった P72

・上に立つ人間が必死になって何かに打ち込んでいる姿って、
ちゃんと伝わると思う P81

・迷うより先に、悩むより先に、初めからこうしてしまえばよかった P133

・親に対して申し訳ないとか可哀想と思えるのは、
その感情に足るだけの肉親を持った人間に許された
特権のようなものだと思う。
そう思えること自体、恵まれている証拠なのだ P139

・本当は良い人なんだから、仕方ないの。
それは、周囲の人間を納得させるための台詞であると同時に、
自分のことも安心させてくれる魔法の呪文だ P158

・大人がふらふらするのには、事情があるんだよ P186




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