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言葉の宝箱1371【時という、人の智恵や力ではどう仕様もないものがある。それを待つのだ。ただ、無為には待っていない】


『箱根の坂(下)』司馬遼太郎(講談社文庫:昭和62年6月15日)


*老少不定というのは仏教からきたことばだが、
この時代の哲学的な慣用句になっている。
老も少も定めというものがない
――若者は遅くまで生き、老いた者が早く死ぬとはかぎらぬ――
ということである P29

・人が死ぬ。
世にいう無常などということばの空しさなまぬるさ、
死という言葉にははるかにおよばぬ(略)
無常というのはまだまだ楽の音で、楽しくもある。
死は琴の糸が切れるのだ。音も絶える。
音が絶えて、なお無常などといううたをうたっていられようか P39

・時という、人の智恵や力ではどう仕様もないものがある。
それを待つのだ。ただ、無為には待っていない P138

*砂地は水田にはならない。
そういう役立たずの砂地のことを、
古代では、「スカ」あるいは、スガといった P224

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