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言葉の宝箱 0054【人間というのは何か問題が起きると途端に退いてゆく生き物】

『経済特区自由村』黒野伸一(徳間文庫2015/6/15)

会社をリストラされ、大手外食産業ヘルシー☆ファストニッポンが提携するブロイラー養鶏場のオーナーとなった鈴木明男だが、
その実態は隷属下請け業者だった。
設備投資のための借金、劣悪な環境、鶏を工業製品のように扱う現場。
キレた明男はファストニッポンの営業マンに暴力を振るってしまう。
殺人の罪に怯え、逃亡した先に辿り着いたのは人里離れた山奥の神山田村。親切な老婆のこなたに助けられ、村で暮らし始めた明男は
FEE=フリーエコノミー&エコロジーなる団体の存在を知る。
脱マネーと自給自足を提唱するコミュニティで、
若きカリスマ民人が率いるFEEの目的はどこにあるのか。
民人の正体とは?
格闘家の岬洋子、村の知恵袋こなたばあちゃん、
不登校高校生の雅と彼女の義母、民人の取り巻き達、
各々の理由で神山田村に移住してきた人々。
個性豊かな登場人物たちのエコをめぐる群像劇でもある。


・人間というのは何もないときには助け合うが、
何か問題が起きると途端に退いてゆく生き物 P79

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