見出し画像

言葉の宝箱 0880【死ってさ、すごく身近にあるんだよ】

桂01

『県庁の星』桂望実(小学館2005/09)

野村聡。31歳。
Y県職員一種試験に合格。入庁9年目。Y県県庁産業局産業振興課主任。
Y県初の民間人事交流研修対象者6名の1人に選ばれた期待のホープ。
1年間の研修を無事に終えて戻れば、
念願の係長への階段を同期に先んじて登ることが出来る。
ところが、鼻高々で望んだ辞令交付式で命じられた赴任先はスーパー?
しかもH町?えらくマイナーな感じがしたが、
そのイヤな予感は現実のものとなる。
もらった予算は使いきるもの。人を使役してこその役人。
大勘違い野郎の「県庁さん」が田舎のスーパーで浮きまくり。
生まれて初めてバカと呼ばれた県庁さん、
果してこのまま「民間」でやっていけるのか?

臨機応変な対応が求められるスーパーの現場で、
頭のかたい偏差値エリートは鼻つまみ者として扱われるが、
民間で磨かれ、成長していく姿を描いたエンターテイメント。
こんなお役人が増えれば、社会はよくなる。
県庁のお役人とスーパーマーケットのお仕事小説。

・人と意見を衝突させながら道を開いていくもの p134

・ゼロになんなさい。その賢い頭使って、全然ダメだったんでしょう。
だったら柔らかい頭の人に聞いて歩きなさい(略)
管理者っていうのはね、すべてをわかってる人しかできないの。
わかってないなら、教わりながらすべての仕事をしてみなさい p177

・死ってさ、すごく身近にあるんだよ。
俺たちギリギリのところで生きてんだよ。気づかないだけでね。
明日死ぬかもしれないなら、今日とことん楽しんでおかなきゃってね p215

この記事が参加している募集

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?