見出し画像

言葉の宝箱0722【何か始めようとするとき、失敗はつきものだ。人が絡めば面倒くさいことが芋づる式に出てくる。誤解や中傷を受けるかもしれない。いろいろあるのが当たり前くらいに思っておいた方が気が楽だろう】


『本バスめぐりん』大崎梢(東京創元社2016/11/30)


都会を走る移動図書館、愛称「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十五歳の新人運転手テルさんと図書館司書ウメちゃんの、年の差四十のでこぼこコンビ。巡回先で二人と一台を待ち受けるのは利用者とふしぎな謎の数々。棚に並んだ本の中にあなたの好みの一冊がありますように。本でつながる想いをのせて、今日も走るめぐりんのハートフル・ミステリ。
『テルさん、ウメちゃん』『気立てが良くて、賢くて』
『ランチタイム・フェイバリット』『道を照らす花』『降っても晴れても』
5話連作短編集。

・年配だからと簡単におばあさんと言ってはいけないそうだ P8

・残りたくても残れない人間は多い P12

・お互いにあきらめを覚え、期待もしなくなった。
言い方を変えれば、譲ることを覚え自分のペースを強要しなくなった P30

・うまくしゃべれなくてもいいから、
伝えたい気持ちはなくさないように P33

・ゆっくり落ち着いて、時間を掛けなくてはいけない。
考えたり悩んだりする前に行動を起こす人はいる。
思ったことを言葉にしてすぐしゃべる人もいる。
失敗すれば落ちこむが、凹んだあとの立ち直りが早い人もいる。
けれども当然のようにタイプがちがう人もいるのだ(略)
伝えたいという気持ちをなくさないようにという、
どこかの奥さんの言葉がよぎった。
なくさなければ、なんとかなるのだろうか P43

・誰かに背中を叩いてもらい、
その人の力が手のひらから背中へと注ぎ込まれる。
自分の中で混じり合い、新たな力を生み出す P52

・全部ひっくるめてそれが暮らすってことかもよ。
人の営みって言うの?
やかましければ文句言いながら暮らして、
静かだと、もしかしたら少し物足りなく暮らして P74

・何か始めようとするとき、失敗はつきものだ。
人が絡めば面倒くさいことが芋づる式に出てくる。
誤解や中傷を受けるかもしれない。
いろいろあるのが当たり前くらいに思っておいた方が気が楽だろう P85

・どんな職業でも人間関係からは離れられない。
力いっぱい走り出し、まわりが見えなくなるのはやはり危険だろう。
そばにいる人の気持ちに気づけなかったら、
何より当人が自己嫌悪にかられる(略)
自分を抑えて待つ。相手を信じてゆだねる。失敗を恐れない P88

・今までを変えるのは、今までにない人材だよ P91

・構いすぎてはいけない。
そっとしておいた方がいい場合もある P169

・話しかけるって、勇気がいるよね。
自分の考えていることを伝えるのは、だいたいむずかしい。
黙っている方がらくなときもある。
でも話してよかったと思えることもたくさんあるよ P192

・ちょっと歯の浮くような甘いことも言ってみる。
たまにはいいだろう P200

・ちがっていたからこそ、
とまどいもしたが新しい発見や気づきはたくさんあった P252


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?