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言葉の宝箱 1075【才能なんかだれにもねえよ! あるのは、たゆまずセンスを磨きつづけようとする意志だけだよ!】

マナーは

『マナーはいらない 小説の書きかた講座』三浦しをん
(集英社2020/11/10)

三浦しをんが的確かつ楽しく伝える、小説の書きかた講座。
Web連載「小説を書くためのプチアドバイス」に、
書きおろしやコラムを加え単行本化。
<目次>*本書より、一部抜粋
ようこそいらっしゃいました ―まえがき
一皿目 推敲について ―お庭の手入れは万全に
二皿目 枚数感覚について ―迷子にならぬために
三皿目 短編の構成について(前編)
 ―シチュエーションか感情か、ご自由にお選びください
四皿目 短編の構成について(後編)
 ―具体例でご説明、自作を挙げたら首が絞まった風
五皿目 人称について(一人称編) ―視野狭窄に陥らぬようご注意を
六皿目 人称について(三人称編)
 ―考えすぎると地獄を見るのでご注意を
七皿目 一行アキについて(前編) ―息つぎはほどほどに
八皿目 一行アキについて(後編)―気づかいはほどほどに
九皿目 比喩(ひゆ)表現について ―様子がおかしいのは情熱ゆえ
十皿目 時制について ―「時間の魔法」をかけて
十一皿目 セリフについて(前編) ―耳をすました近所のおばちゃん風
十二皿目 セリフについて(後編) ―さまざまな戦法の盛りあわせ
十三皿目 情報の取捨選択について ―建物や街の描写、文章仕立て
十四皿目 取材方法について ―お邪魔にならぬ程度に
十五皿目 タイトルについて ―三つの発想法を駆使して
十六皿目 情報提示のタイミングについて
 ―情景や登場人物を思い浮かべて
十七皿目 高揚感について ―中二の魂が叫びたがってるんだ風
十八皿目 描写と説明について ―納豆を何回かきまぜるかはお好みで
十九皿目 書く際の姿勢について ―当店に寄せられたお声、その一
二十皿目 文章、書き進めるコツについて
 ―当店に寄せられたお声、その二
二十一皿目 構想と構成、登場人物について
 ―当店に寄せられたお声、その三
二十二皿目 お題について ―真面目さと胡椒は同量ぐらいで
二十三皿目 短編と長編について
 ―「キレと余韻(よいん)」「構成力」を隠し味に
二十四皿目 プロデビュー後について ―旅立ちを見送る書き下ろし風味
またのお越しをお待ちしております ―あとがき

・『マナーはいらない』というタイトルには、
「小説を書くのは自由な行いだから、
細かい作法とか気にしないでオッケーだぜ!」って思いをこめました。
しかし少々嘘もあるタイトルで、たしかに自由な行いなのですが、
「ここを踏まえると、
もっと自由に文章で表現できるようになるかもだぜ!」という
ポイントも確実にある気がします。
それについては、なるべく例も挙げつつ説明するように心がけました P2

・比喩とはつまり、「まわりくどい表現」です。
比喩によって詩情がかきたてられたり、イメージが広がったり、
描写に重層性が生じたりといった、プラスの効果も大きいですが、
連発すると効果が薄れる P72

・センスの内実は、「後天的に獲得するもの」(略)
才能なんかだれにもねえよ!
あるのは、たゆまずセンスを磨きつづけようとする意志だけだよ! P134


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