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言葉の宝箱 1222【恨みや後悔は結局のところ自分自身を傷つけます。誰かを恨んでいる間はまだ楽だ。怒りをぶつける相手が外にあるから。だけどその感情は結局は自分に向けられるのです。上手くやれなかった自分、失敗してしまった自分、相手につけいる隙を作ってしまった自分、そういう駄目な自分が許せない。その想いは簡単に払拭できるものではない。恨む相手は自分自身なのだから、逃げ場がない。自分自身に対する怒り、後悔。それはほんとうに苦しいものです】

『凜として弓を引く 青雲篇』碧野圭(講談社文庫2022/10/14)

弓道を始めて一年。
初段を取り、高校二年生になった矢口楓は後輩の高坂賢人にのせられ、
廃部になった弓道部を復活させることになるが、校内に弓道場もなければ、入部希望者もなかなか集まらない。
意図せず部長になり不安にかられる楓に次々と難題が降りかかる。
弓道女子の奮闘を描く青春小説。

・好きなものがあるって強いことだね P95

・悪気がなかったって、加害者の言い分だよ。
自分たちは痛い思いをしていないから、
相手にひどいことをしたって気づかないんだ P139

・自分で目標を決め、それに向かって努力できる人間が上達します P171

・やればやるだけ知識も自分のものになるから、
やる方がいいと思いませんか? P174

・忙しいと思うのは、充実しているってことかな P262

・誰かに教えるためには、ちゃんと自分が知らなきゃいけない。
そのために調べたり、研究したりするだろ?
その結果自分自身の知識が深まっていく。
それを言語化して説明することで、自分自身の中に定着する P275

・失敗することで学ぶことがある。
失敗は学生時代だからこそ許される特権だ(略)
失敗しないとわからないこともあるってことだろうか。
失敗するなら、若いうちの方が傷が浅いということだろうか(略)
規則を強化すると、
それを守ること、守らせることが目的になってしまって(略)
考えるのをやめてしまう。
それでは、ほんとうの意味で自主性が育たない P328

・過去のことは過去のこと。
そう割り切らないと、前に進めないこともあります。
恨みや後悔は、結局のところ自分自身を傷つけます。
誰かを恨んでいる間は、まだ楽だ。
怒りをぶつける相手が外にあるから(略)
だけどその感情は、結局は自分に向けられるのです。
上手くやれなかった自分、失敗してしまった自分、
相手につけいる隙を作ってしまった自分、そういう駄目な自分が許せない。その想いは簡単に払拭できるものではない。
恨む相手は自分自身なのだから、逃げ場がない。
自分自身に対する怒り、後悔。
それは、ほんとうに苦しいものです P330

・起こったことは変えられない。
これから前に進むために、いったんすべてを受け入れよう(略)
これも修業だと思おう。
常にこころを穏やかにして、
無念無想で的に向かうための修業は、何も射場だけでやるものではない。日々の生活の場で実践してこそ、本物になるのではないか P333


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