見出し画像

言葉の宝箱0766【一人一人ちがうけれど、わずかな共通点をたどれば、わかりあえるのかもしれません】


『カラフルな闇』まはら三桃(講談社2006/4/10)


第46回講談社児童文学賞佳作受賞作品。誰もが闇の中から自分だけの色を見つけだせるはず。気まぐれな母親は赤。私の過去を知るあの人は紫。不幸をもたらす「闇魔女」のうわさに揺れる女子中学生志帆の複雑な色模様をうつしとる少女のどうにもならない繊細で熱い手さぐりの青春物語。

・人は一人一人ちがいます。
きっと学校にもいろんな人がいると思います。
ましてこの世のなかは、年齢、性別、生まれ育った国の異なる人たちで
構成されていますから、楽しいことばかりでないのも、
しかたのないことかもしれません。
だけど。たとえばおいしいものを食べたとき、おもしろいものを見たとき、だれかと思いを共感できることはありますよね。わかりあえることもある。わかりあえると、食事がもっとおいしくなったり、
「くすっ」が「わはは」になったりします。
共感は大きなエネルギーを呼びます。
逆に、思ってもみない反応を示す人もいて、びっくりすることもあります。けれど、これもまた大きなエネルギーなのです。
へだたりが大きいほど、驚きの度合いも大きくて新鮮ですから(略)
一人一人ちがうけれど、どこかしら同じところも持っている。
だから、よくわからないなと思っている人とも、
わずかな共通点をたどれば、わかりあえるのかもしれません P174



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?