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言葉の宝箱 0360【あきらめは顔に宿る】

マカン03

『きまぐれな夜食カフェ マカン・マランみたび』古内一絵
(中央公論新社2017/11/25)

元超エリートのイケメン、今はドラァグ・クイーンの
シャールが夜だけひらくカフェ『マカン・マラン』。
今回のお客様は匿名のクレームを繰り返すアラサーOL、
美味しさがわらかなくなってしまった若手料理人など。
彼らにシャールが用意した《きまぐれ》料理とは?
お仕事&お料理小説、第3弾。
『妬みの苺シロップ』『藪入りのジュンサイ冷や麦』
『風と火のスープカレー』『クリスマスのタルト・タタン』4話連作短編集

・外見も、実年齢よりずっと老けて見えるはずだ。
あきらめは顔に宿る P9

・憂さを晴らすために、誰かを簡単に虐げたいと思う人たち(略)
この世の中は、一皮むけば、醜い悪意と敵意でいっぱいだ P11

・あれが人の本性。
寄ってたかって誰かを虐げるのは、なによりも楽しい娯楽なのだ P17

・この世に本当に魔法があるとしたら、
それはきっと、自分自身にしか起こせないもの P70

・苦しかったり、つらかったりするのは、
あなたがちゃんと自分の心と頭で考えて、前へ進もうとしている証拠 P115

・居場所なんて、どこかに無理やり見つけるものじゃないのよ。
自分の足でしっかりと立っていれば、
それが自ずとあなたの居場所になるのよ。
要するに、あなたがどこに立ちたいかよ P136

・どれだけ若く見えても、身体の内面的な変化だけはどうしようもない。
ホットフラッシュは、
脳が催促する女性ホルモンの分泌に
身体が応えられなくなったときに起きる、一種のエラー現象 P144

・自分が傷つくのが怖いのだ。いつも、そう。
傷を受けることを恐れ、色々なことを先送りにし、自分でなにも選ばない。周囲から示された選択肢の中から、
一番割のよさそうなものを受け取るだけ(略)
自分は“いい子”の仮面をかぶっているだけ。
本当は、事なかれ主義の臆病者だ P146

・失敗はしたけれど、自分は間違っていなかった P151

・ずっとつけ続けていた仮面は皮膚に密着し、
いつの間にか外れなくなっている P173

・歳をとっていくことは、
忌むべきことではなく、慈しむことなの P175

・過剰なものを抑えれば、足りないものが自ずと現れる P193

・本心を隠すのは、別に悪いことではないわ(略)
この世の中は、本音だけで生きていけるほど、甘くないじゃない。
私だって、本当の思いを心の奥底に隠すことくらい、いくらでもあるわよ。嘘だって、山ほどついてきたわ(略)
素顔を見せたくないなら、無理して見せる必要なんてないわ(略)
この世の中は複雑で冷たくて、思い通りにいかないことだらけよ。
仮面が必要なときだってあるわ。
でもね、どれだけ意に沿わないことをしなければならなかったとしても、
自分の本心の隠し場所さえちゃんと分っていれば、
人は案外、自分の道を歩いて行けるものよ P196

・手ずからなにかを生み出すことほど、人を満たすものはない P233

・無限にあるように見えて、
その実限られた選択肢の中からなにかを選び取っていくことは、
若ければ若いほど、切実な痛みを伴う P249

・大事なのは、先のことをあれこれ気にかけるより、
今をできる限り上機嫌に過すことじゃないかしら P270

・「人間を素粒子レベルで考えると、
一年間で、人ってまったく新しい素粒子に入れ替わるんですって」(略)「それじゃ、誕生日のたびに、生まれ変わるってことかしら」
 「そういうことになるのよ。
そう思うと、誕生日って、いくつになってもすごいわよねぇ」 P271

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