言葉の宝箱 0843【頑張ればもう少しできたが、無理すると続かない。きつかったが、明日もやってみようか、という気持ちにはなった】
主人公は語り手の浪人生真崎光一だが、中心人物は彼の祖母である。
伯父が亡くなったことで伯父と一緒に暮らしていた
ばあちゃんを引き取ることになった真崎家。
光一の家庭は自分達で気づかぬまま、崩壊しかけていた。
それをさりげなく立て直すばあちゃんの手腕はマジックであるが、
ばあちゃんは特別な事をする訳ではない。
相手の心を読み、負担にならない形で手を差し伸べる。
長い人生で培ったコネを使用する。良いと思った事は継続する。
一つ一つを見れば、実際に出来そうな事を積み上げ、
いつしか奇跡のような空間がばあちゃんを核にして広がっていく。
それを間近で眺めていた光一も自分の生き方を変えていく
ハートフルストーリー。
・「荷物を運ぶとき、辛そうにしてると、親切な人が助けてくれるから」
年寄りが生きてゆく上での知恵?
まあ、親切にした側も気分がいいし、誰も損はしないわけだけど P20
・米って生き物なんだな P59
・「ばあちゃん、一つ聞いてもいい?
あんな演技をしなくても、普通に席とか譲ってもらえたと思うんだけど」「それはそうかもしれないけど、
しゃんとしてたらやっぱりためらうでしょう。
ほら、中には、年寄り扱いするなって怒る人もいるっていうから(略)
それに、これも何かのご縁。
初対面の他人と親しく話ができるというのは、
ありがたいことだと思わない(略)
私は今、とっても得をした気分よ」 P83
・いただきますっていうのはね(略)
命をいただきますっていうことなのよ。
作ってくれた人に言ってるわけじゃないの(略)
食べ物というは、動物や植物などの、命があるものからできてるでしょ。
だから、食べる前には、あなたたちの命をいただきます。
けっして無駄にはしませんからっていう気持ちを込めて、
手を合わせるの P104
・用美道というのは、機能性があり、それが美しさを備えており、
正しい生き方につながっていなければならない、ということなんです(略)空手であれば、
兎にも角にも、実際に敵を倒す腕前を持っていなければならないことが用。しかし、ただ勝てばいいというものではない。
相手を大怪我させたり血まみれにしたりせずとも勝つ方法があるのなら、
そちらを選んだ方がいいし、その方が美しい。これが美。
そして、用と美を備えた上で、正しい生き方を子供たち孫たちに、
身をもって教えなければならない。これが道。
空手に限らず、会社経営でも、学問の世界でも、
すべてに通じる理念だと思います P108
・ばあちゃんは、他人の潜在能力を引き出すのが上手い人なのだ。
そのためなら多少のうそをついたり、演技をしたりするけど、
それは自分の利益のためではない。優しいうそをつける人なのだ(略)
赤の他人だからこそ、話せることもある P118
・頑張ればもう少しできたが、無理すると続かない。
きつかったが、明日もやってみようか、という気持ちにはなった P123
・いいところを見つけて、筋がいいってほめてくださるんですよ。
悪いところを悪いと言わずに、
こうすればもっとよくなるっていう言い方をしてくださるので、
ハートが弱い私も、
モチベーションを保つことができたんだと思います P137
・知り合いは大切にすべし。人脈は財産 P225
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