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言葉の宝箱0900【過去を変えることも忘れることもできないけど、それを抱えたまま、未来を変えられるかな】


『ROUTE134』吉野万理子(講談社2007/8/29)


やり直せない過去を抱えていても、未来に向かうことはできるのか、それともやはり無理なのか。中学時代、憧れていた同級生の夕輝との行き違いで、いじめに遭った悠里。国道134号線沿いの小さなカフェでマスターをしていた夕輝と18年ぶりに会った悠里は過去を忘れたかのように触れ合う。織り込まれている“いじめ”問題はいつだってどこにでもあって切なく哀しいが、南葉山を舞台に繰り広げられるハッピーエンドな恋愛小説。
『西海岸通り』『波浪警報』『風を飛ぶイルカ』『ホシダカラ』
『春はまだ遠く』『未来の傷』『渚の向うがわ』の7章

・人間の本質って変わらないんだって。
小さい頃って素直に好きなものを追い求めるじゃないですか。
大人になっていろいろ学んで利口になっても、
突き詰めていくと興味のあるのはそこなんだって P76

・いじめっていうのはその場だけではなくて、
何年たっても決して消えないものだから P78

・人は一日でがらっと心を入れ替えたりするほど単純じゃないよ P203

・なあ、未来は変えられるかな(略)
過去を変えることも忘れることもできないけど、
それを抱えたまま、未来を変えられるかな P235


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