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英語力の強化 (留学冬休み)

ID (イリノイ工科大学デザインスクール) の秋学期が12/6に終了してから、大学院は冬休みに入っています。2020年の春学期は1/15からスタートするので、学生にとっては丸々1ヶ月が休みです。こんなに自由で長い冬休みは、なんて久しぶりだろうか、大学時代以来です。学生達は思い思いの時間を過ごすことになりますが、自国に帰る人、旅に行く人、アメリカにいる家族や親戚の家に行く人、USの自宅でそのまま年越しをする人など様々です。
さて、私はこの1ヶ月何をして過ごそうかとじっくり考えましたが、やはり英語の勉強を中心に過ごすことにしました。この秋学期を振り返ると、英語力の不足は悩みの種であり、グループワークや授業のディスカッションで十分な爪痕を残せていないことで、非常に悔しい学期となりました。留学ではひとたび授業が始まってしまうと、英語を勉強している時間など全く無いのです。ですから、この時間を有効活用して、何とか春学期の開幕ダッシュに繋げていきたい所存です。

この冬休み中に、英語の勉強に関して、主にやっていることが3つあります:
① 英語発想の理解 ② 省エネ発音のディクテーション ③ 単語の復習

①  英語発想の理解
この秋学期を通して感じて来た違和感に、英語と日本語の発想の違いがあります。私はどうしても、日本語を瞬間英作文することで英語を話しているため、ベースの発想が日本語なのです。ネイティブと英語でディスカッションをしている時、彼らはとてもいい奴等なので分かったフリをしてくれるのですが、どうも伝えたいイメージのニュアンスが上手く伝わっていない気がしていました。これを解消すべく、英語と日本語における発想の違いを一度確認したいと思いました。以下の書籍を購読し、英語話者のモノの見方を学んでいます。なるほど、いろいろな気付きが得られる2冊です。

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一言で、英語と日本語におけるモノの見方を比べると、それは主観と客観の違いのようです。日本語は、相手に共感を強く求める言語のため、主に主観的な表現を好みます。例えば同じ一文中でも、相手の立場になって相手視点の感覚を作文をすることもあれば、自分視点からの感覚も作文したりと、相手と自分の視点を行き来しながら、柔軟に文章を作ることができます。しかし英語では、同一文中で人物の視点往来をすることは許されておらず、主語 (登場人物の視座) を固定して使わなければいけないルールがあります。
また日本語は、人のコメントや心情を引用するなど主観的な表現を好みますが、英語は主観的なコメントの引用よりも、一歩引いた客観的な描写を好みます。謂わゆる、間接話法と言われる表現です。また客観的な描写の代表が、無生物主語と呼ばれる物体を主語にした表現です。
ですから、日本人にとって英語らしいと言われる表現は、どことなく他人事のようで、気持ちがこもっていないよそよそしい表現に感じられ、気持ちが悪いようなのです。日本語らしく無理に気持ちを込めようとする、不自然な英語になってしまいます。

さらに日本語には傾聴の文化があり、話者が多くを語らなくても、聞き手が相手の言わんとすることを察する傾向があります。対して英語では、会話の責任は話者にほとんどあり、話者には傾聴しない相手に分からせるための説明責任があるとのこと。。なるほど、客観的表現かつ十分な説明力が必要ということから、英語が論理的な言語であると言われる所以がなんとなく理解できる気がします。

② ディクテーション
日本人留学生はおおよそ、速い英語のリスニングで苦労します。なぜなら、日本ではよそ行きのフォーマルな英語しか聞いたことがないからです。TOEFLで勉強するリスニングも、そこそこ速いことは速いですが、これもスタジオではっきりと録音された、よそ行きの英語です。そして、留学先でナチュラル英語と接して呆然とするのです。

この秋学期を通じて、ネイティブのナチュラル英語は、省エネでかなり短縮して発音していることを実感しました。省エネ発音とは、日本語に例えるならば、「~してしまおうか⇒~しちゃおうか」「~してるの?⇒~してんの?」など、ため口や方言などの丸めた言葉のイメージです。私たち自身も、毎度はっきりとしたよそ行きの日本語で話していると疲れるので、省エネで話しているのと全く同じ感覚です。

海外生活が長い人は、これらの省エネ発音を試行錯誤を通じて一つ一つ覚えていくそうなのですが、私には正直そんな悠長な時間がありません。。良い教材を見つけたので、それを集中的に使用して、音のパターンを脳にインプットしています。またこの学習は、量をこなす多聴型の練習ではなく、しっかりと音のパターンを聞き取る精聴型の練習をしないと身につかないとのことです。とにかくこの1ヶ月で、可能な限りリスニングのパワーアップを目指しています。

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③ 単語の復習
下記は、留学を目指す人ならお馴染みの、TEOFL3800の英単語本です。留学して改めて実感しましたが、さすがにデータベースを使ってアメリカ大学教材の頻出単語を選出しているだけあり、授業の課題書籍を読んでいるとめちゃくちゃ出て来ます。私もLevel4まで、トータルで15周くらいしてしっかり覚えているつもりだったのですが、片っ端から忘れており、 "あれ、これどういう意味だっけ... " という状態です。なのでもう一度、覚え直しています。

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④ その他
- 関係詞 (関係代名詞・関係副詞)
関係詞 (関係代名詞・関係副詞) は、日本人にとって課題の一つだと思います。関係詞は文と文を接続する役割を持ち、例えば、ある一文中に名詞があって、それを詳しく説明したい場合に、which / that / where / whenなどを使って先行詞 (説明したい名詞) の直後に詳細説明の文章を挿入していきます。
実は、これが日本人にとってはとても難しいように思うのです。日本人 (日本語) でも、いろいろ話が脱線して、一文中に多くの文章を挿入して来る人がいます。しかし大抵の場合、話の最後に動詞で結論 (オチ) が来るので、挿入された文章も一緒に統合されて理解がまとまるのです。
しかし英語は、文頭に話の結論を言っている場合が多く、後ろに詳細説明がズラズラと追加されて来ます。そう、追加の詳細説明を聞いているうちに、先に言われた結論の内容を忘れてしまうのです。こればかりは、言語フォーマットの違い、または脳内メモリーの使い方なので慣れるしかないということになりますが、何とか関係詞にもっと慣れるべく、試行錯誤をしています。

- 句動詞
句動詞というのは、動詞+前置詞/副詞でできた、簡単なフレーズのことです。例えば、get up / get down / get through / get across / get into などgetシリーズでも多くの意味を表す表現のバリエーションがあります。
実は、句動詞は一語の動詞で表すことができる場合が多く、一般的に日本人は難しいボキャブラリーを覚えているので、一語での表現を知っています。(例えば、She came into / went into the room = She entered the room です。) 
私が英語で話すと、間違いなく一言で楽なので enter を使ってしまいます。しかし、これは厳密に言うと自然な口語ではないようなのです。。
句動詞の表現を一個一個覚えるには、前置詞の空間イメージ理解などいろいろ乗り越えるべき課題があるので、どうしたらいいかまだ研究中です。

以上のように、冬休み中に英語力の強化を行っているわけですが、スポーツと同じで、毎日のコツコツが効く世界だと理解しています。学生特権の冬休みという貴重な時間を有効活用し、来季開幕ダッシュに向けて着実な底上げを図りたいと思います。

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