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そんなに離婚がしたいのか 読売新聞「人生案内」の謎

名刺交換、メールのやり取りをしただけで、メルマガを送りつける奴ってうざいですよね。私です。

今日のメルマガがやたらと評判よかったので、転載します。
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この1週間くらい、
読売新聞の「人生案内」が騒々しい。

なんせ、鹿児島在住30代男性の
「日本が男女不平等なのは本当か?」
という質問がプチ炎上し。

いしいしんじさんの
「(女性は)差別はされている。
 あなたがいま、差別している」
という回答が見事だった。
SNS上でも、男性からの批判が殺到していた。


盗撮する夫が気持ち悪いとか・・・


服役中の長男の存在という、重い相談も・・・


最近、多かったのは夫婦の関係をめぐる相談だ。
読売新聞オンラインでは、
「いい夫婦の日」に合わせ、関連する相談を
30件まとめたページを立ち上げた。

人生案内で考える「夫婦関係」、
30の悩みと回答を公開

期間限定で無料公開の模様。ぜひ、読んでほしい。

悩みは実に多様だ。

こういうとき、
トルストイの『アンナ・カレーニナ』の
「幸福な家庭はどれも似たものだが、
 不幸な家庭はいずれも
 それぞれに不幸なものである」を
引用したくなるのだが
(あまりにも、誰もがやっているので、
 一瞬立ち止まったが)、
「不幸」には必ずしも見えないものの、
「悩み」は多様である。

いや、多様という言葉を使うのも、
ややためらってしまう。
「そんなことで、悩むのか」と。

ただ、その悩みが本人にとって、
離婚を考えるほど深刻なわけで。

先週末のこれなどがそうだ。
家事に無能な妻と別れたい

相談にのっている弁護士の佐貫葉子氏が
「これでは離婚できません」と
バッサリ斬っているのも見事だったが。

もっとも、日常的な些細な言動に、
本人の人柄や、家族の関係性も投影されるわけで。
しかも、小さなことが、
大きなトラブルにつながるし、
長年、積み重なるので悩ましい。

いきなり、メルマガ会員にだけ、
こっそり明かす、我が家の秘密を。

私が、妻と娘に、
明確に嫌われているポイントがある。

しかも、なかなか直せない点なのだ。

それは、風呂上がりに、
思わず濡れたまま更衣室に出て、
体をあまり拭かないまま、
しかも足がかなり濡れている状態で
部屋を歩くことである。
結果、フローリングに水滴がつき、
妻と娘の靴下が濡れてしまうのだ。
しかし、私は家では
靴下もスリッパも履かない人なので。

娘は「じとっとする妖怪が出たぞー」と
からかってくれるのだが。

何度も糾弾、弾劾、粉砕されたので、
自己批判をし、浴室内で体を拭く、
タオルで水滴をとるなどしているのだが、
ついつい、やってしまう。

それというのも、前にこのメルマガで明かしたとおり
私がトム・クルーズの生まれ変わりだから
しょうがないのである。

小学6年生で札幌の映画館で『トップガン』を観て、
自分はトム・クルーズだと確信したわけだが。

かっこいい俳優は、
濡れた髪でバスタオルを巻いたまま、
浴室の外に出るのではないか。

トム・クルーズも
そういうことをしていたのではないか。

厳密にはたぶん、そんなシーンはないのだが、
記憶が書き換えられているのである。

ちなみに、松浦弥太郎さんの影響で
ポーチュガルのヘアトニックを
愛用しているのだが、思わず眼をつぶり、
顎を上げ気味にして髪に叩き込むのも、
トム・クルーズの影響のつもりなのだが、
やはり記憶が曖昧である。

ところどころ、BOOWYの「NO. NEW YORK」
が混じっている。
シャワーを浴びて、コロンを叩くのだ。
実際、毎日、そうしている。

こんなのが同居している、家族の気持ちを
今、考えて胸が痛くなった。

読売新聞の「人生案内」に相談する人の
気持ちがわかった。

ここまで読んできて、老若男女問わず、
怒りが渦巻いている人、
呆れ返っている人が多数いるだろう。
「痛い」「気持ち悪い」」と
思う人がいることだろう。

こういう中年男のどうでもいいこだわりほど、
家庭や職場で迷惑なものはないのである。

自分は島耕作やゴルゴ13だと思っている奴、
『黄昏流星群』の主人公だと思っている奴ほど
頻出しないものの、迷惑きわまりないのである。

読売新聞「人生案内」を読みつつ、今度こそ、
体をちゃんと拭いてから浴室を出ようと
思った次第だが、いつまで続くのか。

しかし、最近「人生案内」を読んでいて、
人は離婚する口実を探しているのではないかと、
心の中の悪魔将軍がつぶやくことがある。
そう読めてしまう瞬間もよくある。

もっとも、
夫婦は価値観が違って当たり前なわけで。
そこをどう理解し合うか。これが大切だ。

バンドの解散理由の「音楽性の不一致」を
私は信じない人だ。
たいてい、不仲か、金か、家族の問題だ。
第一、「バラバラの個性がぶつかり合う
スリリングなパフォーマンスがバンドの魅力」
などと紹介されているのに、
いまさら不一致もないだろう。
ハードロックバンド、レインボーに
横山やすしみたいなオールバックでサングラスの
グラハム・ボネットが加入した時点で
そんなものは音を立てて崩壊している。

妻に「どうして結婚してくれたの?」
と聞いたことがある。

「嫌いじゃなかったから」
という答がかえってきた。

脱力するようだが、
これって大事なことではないか。

燃えるような恋愛は、
ユーミンの50周年記念ベスト
『ユーミン万歳!』的な世界にもう任せて、
理想と妄想は紙一重であることに気づくべきだ。

小さな違いを乗り越え、
大きな同じ、あるいは小さな同じを探すこと、
よいところ、好きなところを探すこと、
それもなければ、大嫌いではないこと、
このあたりのポイントを探すことも
幸せの法則ではないか。

そんなことを考えた48歳の朝。

さあ、送信ボタンを押したら朝風呂に。
今日くらいは家族を不愉快にしないように
バスタオルをドア前に用意しておく。

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