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【ミニ雑学】制作規模世界第2位!アフリカ ナイジェリアの映画文化は凄い!

先日読んでいたとある本の一文に『ナイジェリアの映画製作数が世界第2位である』という事が書かれており、「えマジで??」と衝撃を受けました。アフリカ大陸イチの人口を持つ国であるとは言え、世界2位の映画製作数を誇るって…知っていましたか…?

ちょっと調べてみました👓


①ナイジェリアの映画「ノリウッド」とは?

映画製作数世界1位の国は、皆さん既にご存知かも知れませんが「ボリウッド(Bollywood)」で有名なインドです。他方、3位は米国「ハリウッド(Hollywood)」と言う事なので、インド映画と米国映画の間に挟まれているのが、ナイジェリア映画・ノリウッドになります。この情報だけでも、いかにノリウッドの規模が大きいかが伺えますね。

実際に2016年のThe New York Times(*1)の記事によると、ノリウッドの年間製作数は実に2,500本。国民の職業の割合を見ても、1位の農業関係者に次ぎ2位が映画製作関係者…という事で、約100万人の国民が映画関係者なのだそうです。

 

②そんな規模を誇るノリウッド。アフリカを出ると有名ではない?

ノリウッド映画は、ナイジェリアはもとよりアフリカ諸国で高く評価されている文化です。現に、ナイジェリアの映画に影響されてナイジェリア訛りで話す人が出たり、映画で取り上げられたファッションがトレンドになる事もしばしば。なのに、大陸を出るとあまり知られていないのも事実…。その理由はなぜなのか、個人的解釈ですが私なりに理由を考えてみました。

 

理由その①:内容が地域密着型?

ノリウッドが扱う主なテーマは、奴隷制度時代の現地人(アフリカ人)の葛藤といった歴史上を出来事を題材にしたものから、現代の社会問題(麻薬や不正)を題材にしたもの、恋愛ドラマ系、現代化による若者の民族習慣離れなど多岐に渡りますが、アフリカの事情を理解していないとピンと来なさそうな題材です。大衆向けというよりかは地域密着型で反響がありそうな内容に仕上げているので、なかなか他国には刺さりにくいのかもしれません。

 

理由その②:映画館で公開しない?

映画製作数第2位を誇るノリウッドですが、実はナイジェリア国内の映画館数は45館のみと小規模。では一体、国民の皆さんはどこで観ているのでしょうか?調べてみると、現地の人はテレビや海賊版ビデオ・DVDを通して、グループで集まって街中で見ているらしいです。集団で集まって観覧するとは、TVが流通し始めた当時の日本の姿のようですね…!このように、公開の仕方も地域密着型である事が多いため、他国に流入する機会が少なく、なかなか外に広がらないのかも知れません。

 

理由その③:そもそも欧米的には出回ってほしくない?

先程も申し上げたとおり、内容が黒人奴隷時代の話だったり、西洋宗教に対する反発だったりと、ノリウッド作品が取り上げる題材は、必ずしも西洋国にとって寛大になれる内容ではありません。そもそも、この「ノリウッド」が台頭する前は、フランスの製作会社のバックアップの下、フランコ・アフリカン(フランス語を話すアフリカ人)向けに映画を作る例も少なくはありませんでした。つまり、フランスから独立し独自の脚本・表現で作るようになった映画に対し、欧米が積極的に取り上げたり介入したりするメリットもあまりない訳です。だからあまり他国では話題にならないのです、と一概には決めつけられませんが、少しは要因としてあるのではないでしょうか?

 

因みに、日本の2019年の映画製作数は689本(*2)だったらしいですよ。(2020年の国内映画製作数は506本)

ナイジェリア映画と触れ合う機会は日常でなかなかありませんが、Netflix等動画配信サービスで観られるものもあるようなので、今度チェックしてみてはいかがでしょうか?

 

🔍参考出展
Nigeria’s Booming Film Industry Redefines African Life - The New York Times
2019年の国内映画市場は2,611億円。興行収入・入場者数ともに過去最高を記録 - Phil Web


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