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日本のシルクロード、蚕影神社本社

日本のシルクロードシリーズ、これまで、

と、来ました。

これで日露戦争に勝った、とも言われる養蚕、生糸輸出世界一にもなりました。

日本は水田稲作を中心に農業が展開されてきたわけですが、武蔵野台地、相模原台地は多摩川、相模川の扇状地に富士山、箱根の山、浅間山の火山灰が降り積もった台地で水田稲作に向いていません。だから土地がある意味余っていた。

そこに横浜開港です。横浜から近い、土地は余っている、渡来人入植地で養蚕、機織りの歴史の積み上げがあった、と、条件が揃い、爆発的な養蚕となりました。

その養蚕の無事を祈る信仰は色々とありました。稲荷神社、馬頭観音、榛名神社、武蔵御嶽神社、厳島神社、富士信仰、庚申信仰、二十三夜講。しかし、その中心が、蚕影神社です。

今回はその蚕影神社の本社をexploreしました。

いやぁ、良かったです。良いサイクリングになりました。

■◇◆□

いつもは事前机上exploreし、実走で検証するパターンですが、今日の目的地は蚕影神社だけですから、迅速測図を見て設定した古道ルートを行き、何か引っ掛かるものがあれば立ち止まり、という感じでのんびりとNO PLANで行きます。

つくばEXでつくばまで輪行。この辺りは開発で古道が残っていません。一ノ矢八坂神社まで来ると漸くここから古道を辿れます。

参道が太陽に照らされ光り輝いてますね。時間はまだ朝7時過ぎです。この神社、西向きなので太陽が社の背後にあるからです。正に太陽が神様かのように。貞観年間ですから859 - 877年の創建、藤原秀郷が平将門平定の御礼として弓矢を奉納しています。平将門の本拠地下総国猿島が近いですしね。しかしこの辺り、八坂さんが多いです。何故なんでしょうか?

茨城県道128号線土浦大曽根線を行きます。幅と良い曲がり具合と良い、古道の雰囲気があって良い道です。展望が開けたと思ったら、はい、本日のファースト筑波山です。

私が住んでる世田谷辺りの人たちにとっての大山が、この辺りの人たちの筑波山なんでしょうね。

大曽根の集落に入ります。おっと、津久井では二十三夜塔でしたが、この辺りは十九夜塔なんでしょうか。

しかし、調べると養蚕との関係は無さそうです。

しかし豪農のお屋敷が多いですね。

長屋門です。この後、本日のルートで大袈裟ではなく十数個見ることになります。珍しくもなんともない、と、なって、なので撮影はこれだけ。

若森、佐の集落を抜け、君島橋で桜川を渡りまして直ぐ左折の田んぼの畦道・堤道が古道です。ここがまたこの絶景でした。

ディスカバージャパンですね。本当に絶景でした。外国人観光客を招待したい。

田んぼの間の道を行くと、程無く北条の集落に至ります。

古い建物が残ります。ここは迅速測図を見ると交通の要衝ですね。今来た道を行くと江戸、東に行くと土浦、西から北へ行くと真壁へと行きます。だから発展したんでしょう。
さぁ、いよいよつくば道のスタートです。

北条の集落の背後にある丘を越え、神郡の集落に入る所に道標です。

ホースと共に

神郡の集落から東へ。蚕影神社に向かいます。

曲がり口にも道標
いやぁ、絶景
途中にも道標、ホースと共に
登り口には灯籠
階段は当時のままでしょうね。良い具合です。

程無く、蚕影神社本社です。

維新の廃仏毀釈で廃された蚕影山吉祥院桑林寺が、1600年代後半から1700年代前半に開かれ、桑林寺が別当となって、恐らくはほぼ同時に、稚産霊命、埴山姫命、開耶姫命の三柱 = 蚕影大明神を祀る社 = 蚕影神社が創建されました。桑林寺によって、蚕影神社を媒体とし、養蚕信仰が広められ、廃仏毀釈後も残った蚕影神社が、このシリーズで何度も訪れた各地の蚕影神社の本社となりました。
拝殿の隣には額堂があって、信者から奉納された額が。こちらは割りと新し目、昭和29年、栃木県下都賀郡、その名も絹村と、カネボウの工場からですね。
こちらは信州松本の蚕友社の木下房一郎社長からの寄進です。

さぁ、かなり早目に目的遂行したので、地図を見ると筑波山神社まで2.3kmですから、寄り道しましょう。

神郡の古い町並み、長屋門、蔵だらけでした。
ここにも道標です。
にしてもこの絶景!!!電柱が無ければ、、、

この先で勾配がキツくなります。元々は階段でした。だから直登なんです。益々キツイ。鳥居手前の激坂でギブしました。

ここで止めようかと思いましたが、折角なんで最後まで行こうと。勿論押しですが、それでもキツかった!
漸く石段です。
石段を上がって左折するとこの大鳥居です。ここで折り返します。
関東平野一望

帰路、神郡で遭遇した田植え用の稲の苗を運ぶ農家さん。

これがこの日のサイクリングの象徴かなぁ

北条からは東へ進路を取り土浦に向かい、その後は水戸街道で本日のゴール、取手まで。が、南風が強烈で、平坦でしたが疲れました。以降、写真集です。

土浦藩年寄格の元居宅で国登録有形文化財の一色家住宅、屋根の上に屋根があり、明治以降は養蚕もしていたのでしょうか。
土浦の古い町並み
荒川沖の茅葺屋根、直ぐ先にもう一軒ありました。
牛久の、古道の雰囲気残す坂道
若柴の星宮神社、924年、後に将門を討つことになる平貞盛によって創建、北斗七星を祭ります。妙見信仰ですね。
取手の古い町並み

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如何でしたでしょうか。

とうとう、訪れることが出来ました。

武蔵野台地、相模原台地は全て行き尽くし、日本のシルクロードシリーズ、シメをどうするか。ゴールデンウィークだし、本社に行ってみようと。

蚕影神社も良かったんですが、道中が良かったですね、いや、本当に。常に見守ってくれる筑波山、そして水田。日本の原風景、ディスカバージャパンでした。

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