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2023年読書評7 フロスト

「フロスト始末」

まず最初に、解説を読むと・・・
このフロストシリーズ、著者のウイングフィールドが亡くなって6作で終わりましたが、その後、後を引き継いだ人たちがジェームズヘンリーというペンネームで3,4冊出しているそう。
本作が日本で出版されたのが2017年だから、5年は経過しています。こちらの方も出してみてはどうだろうか。

上下巻で1冊1300円。上下で2600円プラス税。高過ぎます。たかが文庫。
昔バブルの頃は、私もスティーブンキングの文春から出ているハードカバーを買ったりしていましたが、今は買いません。
図書館やブックオフで充分だと思います。

さて、上巻10章、下巻11章で、1日1章読むと20日くらいで読了。

内容は:
例によって、イギリス、デントン(架空の町)の警察署の警部フロストは事件に奔走される。
行方不明少女、足だけ発見される死体、鉄道脇で発見される腐乱死体、スーパー脅迫、
平行する事件が描かれます。
今回は「イモ兄ちゃん」ことモーガン刑事の面倒を見つつ、新しく入った上官から嫌味を言われ、左遷に追い込まれそう。

この本は、ストーリーもそうですが、力点はフロストのキャラクターにあります。下品な会話、奔放だけれど憎めない警部。
本は辞書並みの厚さだけれど、本としては意外と読みやすく、読み進めることが出来ます。

ちなみにドラマ化されていて、作者は「影響されないために見ていない」と思っていましたが、どうやら本当は「これは自分のフロストではない」と憤慨していたようです。
テレビ版の役者の顔を私もネットでチラッと見ましたが、顔がフロストではないなと感じました。
日本の本のイラストの方がピッタリ。
それにテレビ版は下品な冗談を言わないそうです。

物語は後半の方がスピーディー。
肉屋の倉庫の話は息詰まる迫力。

そして立てこもり事件の意外な顛末。

フロストは左遷されてしまうのか?

私が思うに、この小説は非常なグロテスクな表現があったり、残忍な事件が描かれますが、警部にユーモアが常にあり、活字でしか楽しめないものがあると思うのです。
すなわち、ドラマや映画では味わえないものが小説にあるという見本のようなものであると。

映画には映画の強みがあり、小説には小説の強みがあります。
よく「ある本を映画化した」と謳い、小説を読んだ気になることもあるでしょうが、読者側からは映画は全く違うという声もあったりします。

私は例えば、ハリーポッターなども小説の方が面白いと思います。映画は1,2はよかったけれど監督が違うと全くダメなものになっています。

このように芸術というのは小説、映画、音楽、絵画、次元は違うけれど同じ芸術というものであり、しかしそれぞれが別次元のものなのです。
小説の代用は映画ではできないし、映画の代用は小説ではできない。

というわけで、皆さん、そこそこに小説を読み、そこそこに映画を見、そこそこに音楽を聞き、そこそこに絵画を見ましょう。

映画化された小説を読むのを止めましょう。
(そんなことをするのは三流のすること)
小説は自分で発見して読むのです。


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