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不浄・苦・無常

「不浄・苦・無常」という言葉を耳にしたことはありますか?

仏教の教えであり、アーユルヴェーダの中核にある考えだと教えていただきました。意味は、

森羅万象は常に移り変わる
移り変わるものに執着するのは苦である
森羅万象の全てにおいて固定されたものは何もない

これは、みなさんにも馴染みの深い般若心経にもこの教えが説かれていると先日のお寺ヨガの際に住職より教わり、親和性を感じたものです。

諸行無常・・・ 全てのものは常に移り変わる
諸法無我・・・ 全てのものは実在しない、形のないもの
一切皆苦・・・ 変化するものは全て苦である

変動する心と体

私たちは無意識の内に無数の選択をそれぞれがしています。
1億人いれば1億通りの1日の過ごし方があり、1億人の個性があります。

例えば、朝コーヒーを飲み、昼に食事やおやつを食べ1日を過ごすとします。
多くの人が朝の食事も、夕方の食事も同じカロリーならば同じように体内で脂肪に変わると思っているはず。また夫婦だと同じものが同じように吸収され脂肪になると思っています。

でも、実際自分たちの体は1日の間で常に変動しておりリズムをなしています。例えば体温も朝や早朝は低く、午後からは高くなる。血圧は常に変動し、心拍数も状況により変動します。肉体的なものだけでなく、精神的な情緒の変動も1日や季節単位でも起こります。思考力は午前中の遅い時間に高くなり、午後から落ち込み、推理力は午後遅くから夕方にかけて落ちると言われています。

体と心の個人差

個人個人でも体や心の反応が異なります。
例えば、列車に乗り遅れたとします。
Aさんは「仕方ない」と次の列車を気長に待つ人。
Bさんは、列車に遅れたことをあたかも鉄道会社の責任のように怒り怒鳴る人。
Cさんは、次の電車まで待てずに他の電車や別の手段を使おうか悩む人。
このように対応は人それぞれで、肉体的な変化も伴うため特に脈拍に顕著に差が現れます。

現代医学においては、個人差をどうかすることはあまりありません。
病気と判定されたものを処置することが出来ますが、その人個性を見ることはほとんどありません。それが西洋医学と東洋医学の違いです。

特にアーユルヴェーダは個性を大切にしており、一日の間、一年の間、年齢差、仕事、住んでいる場所などの環境など諸々の状況によって、その人の現在の状況が異なってきます。

もしも、個人のライフスタイルが的確に把握できれば、その状況に合わせて健康的な生活の仕方ができるのがアーユルヴェーダの面白さです。

自分を知って自分の個性、年齢、日時、場所にあった生活の仕方をすることができれば、より心も体も健康的になるとされ、それが自分の生きやすさにも繋がります。

変化に気づく

変化するものに執着することはしませんが、変化するものに対応できるのも人間の素晴らしさです。
変化に気づかなければ、それに流されてしまうだけ。
変化するものに気づきながら、変わらないものがいつもあると自分達は知っています。その内側を明かす知識がアーユルヴェーダの知識体です。

まず眺めてみましょう。

まずは自分の脈と呼吸を診てみましょう。
今の状態はどうですか?
落ち着いていますか? イライラしていますか?
だるいですか? さわやかですか?
眠いですか? 爽快でしょうか?
胃は冷えていますか?
手足は冷たいですか? ポカポカしていますか?
脈はゆっくりですか? 早いですか?

西洋医学のように症状が出たときに対処するのではなく、
症状が出る前に自分の内側に意識を向けて症状が出ない、或いは軽いうちに対処できるように慣れたらいいですね。体だけでなく心も大きく関係してくるからヨーガとアーユルヴェーダは両輪で廻っていけるといいですね。