最近思うこと #12 カレーの香りは君と同じで

カレーが好きだ。食べるのが好きだ。一人暮らしなのでカレーをよく作る。なんとなく一人暮らしだと「カレーくらい作れないと」みたいな風潮はある。だからなんとなく月一回は最低でもカレーの日がある。カレーはなんといっても夜ご飯、次の日のお昼ご飯、そして次の日の夜ご飯にもなる。コストパフォーマンス、略してコスパがいい。でも、簡単と言うその割にカレーを作るのって結構めんどくさい。ご飯を炊く→肉を解凍する→数種類の野菜を切る→炒める→煮る→煮込む。簡単そうに思えて工程がめんどくさい。仕事から帰ってから、となるとかなりの労力。さらにカレーを食べた後の皿洗いは他のものよりも根気がいる。炊飯器だって洗わなきゃいけないし、カレーの汚れはキッチンペーパーで拭き取ったり色々と手間がかかる。その上に余ったご飯やカレーは冷凍するなりしなきゃいけない。カレーを甘く見るな。そんな気持ちにもなる。

CURRY HOUSE シナモンの木

そしてなぜか毎回カレーが上手くいかない。いつも作りたてはなぜかスープカレーのようになってしまう。最初の頃は失敗した！と思って、色々と工夫した。水の量だって毎回少しずつ調節しているつもりだ。それなのになぜか毎回スープカレーが出来上がってしまう。料理は食べられればいいとは思うけど、適当に料理をすると後々ちょっとめんどくさいことがやってくる。人生みたいだ。今日もちゃんと失敗した。何度も煮込んで煮詰めて、最終的に食べられるようになるんだけど、また今日も夕飯は23時。もうカレーの気分でもなくなってくる。

VOVO 学芸大学駅前店

仕方ないから今から今日を取り返すためにカレーを食べながら映画でも観ようとNetflixを立ち上げる。しかし、思い立ってNetflixを開いてみるものの観たいものが思いつかない。ずっと上から下、左から右にスクロールして、今の気持ちと照らし合わせる。その作業がもうめんどくさい。

結局これで2時間過ぎる日だってある。人生は映画のようとはこのことを言うのかというくらい無駄な2時間だ。無駄すぎる。無駄なことも人生には大切だよと言うけど、Netflixで観たい映画が決まらない時と、風呂入る前にYouTubeのShortを延々と見ている時間は無駄だ。間違いなく人生にとっての無駄な時間。死んだ後にロスタイムとして返してほしいくらい無駄だと思う。換算しないでほしい、人生に。

よすが舎

そんなこんなで観たいのがないからと言う理由で『花束みたいな恋をした』を観始める。観たいのがないからという理由で見始める人の最も多い映画だろう。23時にアラサーが適当に見始める映画の模範解答だ。カレーが美味しく出来上がって満足しながら観ている。ただ、今日はまだ木曜日。明日はまだ仕事がある。23時というのは社会人にとって勝負の時間だ。今から映画を見始めれば終わる頃には1時、まだ許容範囲だ。しかし、1時に寝るとなると次の日が眠いということももう経験上察しはつく。ただ、そんなこんなでウダウダして何もしないまま23時半になってみろ。もう何もできないぞ。結局何もしないまま24時までYouTubeをベッドで見始めて気付いたら1時だ。映画観れたじゃねーか、となる。そういうことはもう2億回繰り返してきた。もうお腹いっぱいだ。

しかし、お腹いっぱいで思い出したけど、カレーのお皿とかをまだ洗ってないことを思い出した。結局洗い物をしたら23時半になる。洗濯物も取り込んでなかった。もう映画は諦めよう。今日もきっとYouTubeを見て1時になって、映画を観なかったことと明日の仕事中に眠くなることを後悔しながら今日もまた眠るのだろう。人生だ。まったく人生だな。