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ネットショップのキャンセル・返品のお店事情|win-winであるために

はじめに

お客様とネットショップを繋ぐCX(Customer eXperience:顧客体験)のコンサルティングをしています。

リアルなお客様対応もCXの大切な要素の一つです。お客様とお店のwin-winの関係構築を目指して、プレイングでサポートしています。

キャンセル・返品は双方にとってマイナス

ネットショップのお客様対応で大変なことの一つに、キャンセルや返品への対応があります。

Googleで検索すると、どうしたらキャンセルや返品ができるか、と言う主旨のお客様寄りのコンテンツは多くみかけます。

しかし、お店の視点でのコンテンツはあまりみかけません。

キャンセルや返品は、双方にとって大きなマイナスです。

お互いが気持ちよくwin-winで買い物を楽しめるよう、双方でリテラシーを高めていく必要があります。

キャンセルで何が起こるのか

キャンセルで問題となるのが「発送後」です。
(言い換えると、発送前であればほぼ問題ありません)

最近多くみられる、ネットショップと運送会社との連携によるフルフィルメントサービスは、24時間体制で、注文後すぐに出荷作業に入って、商品が機械的に流れていきます。

お届け日が短くなるにつれ、ますますキャンセルが難しい環境になっています。

一旦、商品が倉庫から出荷されてしまうと、お客様の最寄りの配送所まで行ってしまいます。

商品が配送所に留まっている場合は、キャンセルが間に合う可能性がありますが、トラックで配達に回ってしまっている場合は、直接ドライバーさんへの電話連絡で、寸止めに全てを賭けることになります。

これらの一連の対応に、お店の担当者が一日掛かりになることも稀ではありません。

そして最も痛いのは、配送所までの送料と、お店まで返送するための往復の送料がかかることです。

よく、ネットショップのショッピングガイドのキャンセル条項に、送料の実費請求のことが書かれていますが、実際は、お客様に対し請求する仕組みがありませんので、やむなくお店が負担することになります。

時間とお金のダブルパンチです。現場はかなり凹みます。

しかしながら、お客様の視点に立つと、そもそもは、お店側の商品情報の不足や、ショッピングガイドの周知の不備から、ご迷惑をかけている可能性に目を向けなかればなりません。

お店側も、お客様の視点に立ったコンテンツ改善を進め、お客様がご納得してお買い物を楽しんでいただき、キャンセルせざるを得ないようなことにならずに済むよう、努力をし続けたいと考えています。

返品の場合

返品で最も問題になるのは「開封後」です。

開封せずに、運送会社から届けられた段ボール梱包のままの状態で返送していただきたい、と言うのがお店側の要望で、その旨、案内をしています。

商品パッケージの開け跡含め、戻った商品の状態が思わしくない場合は、商品代が丸損となります。

返品自体件数は少ないので、それほど大きな問題にはなっていませんが、事例で記憶にあるのが、サイズが合わないと言う申し出です。

サイズを確認された時点ですでに開封されていますので、原則返品不可ではあるのですが、着用しないとわからないと言うも一理ありますので、実際のところは、お客様と連絡を取らせていただく中で、状況に合わせて対処せざるを得ないのが実情です。

お店側としては、サイズ感などの定性的な部分を、画像や文章で簡潔にいかに正しく伝えられるか、キャンセルと同様、コンテンツの質的改善が求められるところです。

最後に

理想は、いかにキャンセルに対処するか、いかに返品に対処するかという対処方法を作り上げることではなく、そもそもキャンセルも返品も発生しない、お客様とお店側の双方が満足のいく関係を、コンテンツ・コミュニケーションを通して築き上げることです。

ゴールイメージを忘れずに、ネットショップの健全運営に寄与できればと考えています。

長文をお読みいただきありがとうございました。




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