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高卒で就職した子どもたち

もうだいぶ前の話になります。子どもが通っていた高校は工業高校でした。卒業式で生徒の進路を記載した掲示を見ると、300人くらいの卒業生のうち10人ほどが就職するだけ。だから約3%くらいの就職率になるでしょうか。ただ、そのほとんどの子の進路はいわゆるFランクの大学か専門学校。それほど勉強が好きではないのに、なぜに奨学金という名のサラ金に苦しめられる可能性の高い所に行くのか、私は不思議でなりませんでした。

大学卒業至上主義はいまだに健在です。特に首都圏だと、ある程度の大学にはいかないと、と心配する親は非常に多いです。誰のプロパガンダかわかりませんが、公立は荒れているから中学受験をした方が良いとか、中学高校といった多感な時期に高校入試を挟むのはかわいそうだとか、ある程度の私立中高に行かなければ良い大学に入れないとか。マスコミや子育て先輩の助言はもはや脅迫かと思うほど、公立叩きが起きているのが現状です。親の自尊心からも、自分の子育ては上手くいっていると見せびらかせたいのもあるのでしょう、名の知れた私立の中学校に行かせたいと思うのは当然と言えば当然かもしれません。

私はですが、中学や高校の選択は本来なら子どもの特性に照らし合わせて選ぶ必要があると思うのです。でもいつの間にか教育方針ではなく偏差値で考えるようになる親の多いこと多いこと。いつの間にか周りに流されてしまうのでしょうね、少しでも偏差値の良い学校に入れるべく、勉強に邁進させる親は本当に多いです。

もちろん勉強をさせるのが悪いというのではありません。ただ、うちの子のように、ゆっくり成長する子もいるのです。私は就職しても学びたいことが生まれた時に、応援できるようにはしているつもりです。そういう気持ちで子育てをしてきたので、子どもたちは皆自分を持っていますし、自分探しとかやりたいことを見つけるために大学に行く子とは比べられないほど、しっかりしているように思います。

実際本人の気持ちが動くまで待とうとは思っていました。高校生でやりたい事を見つけるのは難しいと思いますが、それでもそれを見つける努力は促すべきだと思います。ただ、それは自分で見つけるしかないので、とにかく口を出さないようにしていたのだけは覚えています。

そんなこんなで、就職試験等では擦った揉んだはありましたが、子どもたちは皆就職した先でしっかりと地に足を付けて頑張っています。彼らをみて、この子達が選んだ道は最良の選択だったと思うに至っています。

仕事には責任が伴います。そんな、学生とは違う緊張感の中での学びも多いと思いますし、厳しい場に身をおくからこそ、本当にやりたいことや学びたいことが見つかる可能性が高くなるのではないでしょうか。それが証拠に会う度に逞しく成長している子どもを見て、この選択をした子どもを尊敬せずにはおれない自分がいます。


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