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言語の力・言語が表す世界
ウィトゲンシュタイン
最近気になっている哲学者。
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインは、言語哲学と論理哲学に大きな影響を与えた20世紀を代表する哲学者。初期の代表作『論理哲学論考』は、言語と現実の関係を探求するもので、哲学界に新たな視点をもたらしました。
『語りえぬものについては、
沈黙せねばならない』
本書を結ぶ文書。短い文でありながら、
美しくパワーのある言葉。
今回は『言語の力』についてです。
世界を表現する言語
・世界は事実の総体であり、ものの総体
ではない。
・論理空間の中にある諸事実、それが世界
である。
・現実の全体が世界である。
・われわれは事実の像を作る。
・像は現実に到達する。
・思考とは有意味な命題である
分かりやすくいうと、
世界はものではなく、事実でできている。
そして、その事実は、言語の文(像・命題)
で表現・写し出すことができる。
さらに言い換えると
・現実は事実で成り立っている。
・事実は言葉で表せる。
・言葉で表したものが思考である。
ウィトゲンシュタインの思想は難しくすべてを正確に理解することができませんが、これだけでも現実•世界の見方が変わります。
・普段わたしたちは言語で思考をしている。
・世界を表せる言語の力。
そして、経験的に知っていること。
言語・言葉にはパワーがある。
人を元気づけることもでき、また傷つける
こともできてしまう言葉。
仕事でよくいう「言語化の大切さ」
言語への好奇心を掻き立てられます。
言語の限界
そして言語の限界を示し、それ以外のものに
ついても言及しています。
「語り得ぬものについては、沈黙しなければならない」は、この限界を強調しています。
ただこれは単に語り得ぬものが意味がないというものではなく、その背後にある深い尊重と理解を示しているとのことです。
以下は語り得ぬものの例です。
倫理・宗教的な問題:生命の意味や
神の存在といった問題美的価値::美しさや芸術の価値
感情や主観的体験:深い感情や個人的な体
自分の世界
事実の総体が世界とすると私の知る世界は
私が知る経験と事実。
ウィトゲンシュタインは、各個人が持つ世界観や認識が主観的であることを認識していました。つまり、私たちが世界をどのように経験し理解するかは、それぞれの個人的な視点に依存しているとのことです。
私たちには自分だけの世界がある。
自分の経験を増やし、自分の知る事実を増やすことで世界は広がるということとも言えるように思います。
そして、自分の知らない事実以外の部分は語ることができない。経験のないものは語り得ない。「沈黙」を守る必要があるということ。
世界を写し出すことができる言葉・言語。
不思議な魅力のあるウィトゲンシュタイン。
とても興味深く「認知言語学」という分野を勉強し始めました。
言語・言葉について今後もさらに掘り下げて
いきたいと思います。
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