
暇人の機動力。大学院生がYouTubeをはじめるまで
2017年の7月、ついに私は決心をした。
「YouTubeを始めよう」
これは、暇な大学院生がYouTubeを始めるまでのストーリーである。
大学の勉強はおそろしく難しい。そして、大学の授業はおそろしく分かりにくい。高校レベルの勉強でさえ教えるプロが求められているこの時代に、大学の勉強では何故それがないのか。学部生の頃から不思議でたまらなかった。
そう思っているうちに、いつしか私は大学院生になっていた。そして、状況は何も変わっていなかった。
大学院での生活に対し、何も不満はなかった。むしろとても充実していた。必死に勉強して入った憧れの研究室であったし、優秀なメンバーに囲まれてとてもワクワクしていた。そして大学院生になってすぐ、(少しぶっとんでいる)優秀な先輩と一緒に論文も出せた。そして、お金のためにやっていた予備校講師も非常にうまくいっていた。
自分で言うのもなんだが、私は人柄が良い。基本的に人に嫌われることのない人生を送ってきた。だからよく勉強を聞かれることが多かった(そのためテスト前だけ友達が増える)。研究者を目指し、人一倍勉強して身につけた「深い理解」に加え、予備校で培った「人に教える力」を合わせた『教え方』はとても評判がよかった。もちろん、途中で挟んだダジャレも面白かったのだろう。
たぶん。
そこでふと、こんな考えが芽生え始める
「自分なら変えられるかもしれない」
正直なところ、世の中の理系大学生を救うためなどという綺麗な理由は後付けだった。自分の力で変えられるものが目の前にあるかもしれない。それだけで十分ワクワクした。
そして、元々研究者を目指していた私に「将来への恐れ」など微塵もなかった。
やってみようかな
そう思った3日後には、大学院生の友人と後輩に具体的な方針とその野望を話した。その二人は「絶対うまくいくわw」「編集ならやりますよw」と二つ返事だった。
なかなかのアホである
そして
YouTubeを舐めている
その感情を押し殺しつつ、さっそく撮影に取り掛かった。話合ってから3日後のことだ。やはり暇人は凄い。機動力がある。暇だから失敗だって怖くない。それに、こういう話は寝かせれば寝かせるほどショボくなる。モチベーションが高い時にバッとやってしまうべきなのだ。
そしてその1週間後、1本目の動画「行列式の求め方」を投稿した。
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