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公務員は国から、お前らは自己啓発なんてしなくていいと言われている事実

こんにちは!ソーシャルアーティストの川那です。

少し過激なタイトルになってしまいましたが、
本日は公務員のキャリアアップに関する、
実社会の問題点について一緒に考えていきたいと思います。

是非、公務員ではない方や、これから公務員を目指す学生さんにも知っていただきたいと思います。

■「教育訓練給付金」って知っていますか?

皆さんは「教育訓練給付金」という言葉を聞いたことがありますか?
こちらは厚生労働省の施策で、
端的にまとめると資格やスキルアップのために、専門学校での学びを金銭面でサポートしますという制度です。
対象範囲は行政書士や司法書士などの法律系からTOEICに代表される語学系、IT、医療、運転免許、カラーコーディネートまで実に多岐にわたっています。(厚労省HP
もしあなたが何かスキルアップしたい!と思ったときに、ほとんどの内容がこの教育訓練給付金の対象範囲になるでしょう。

■いくらもらえる?

教育訓練給付金は
★労働者の主体的な能力開発を支援する
【一般教育訓練給付】
★中長期的なキャリア形成を支援する
【専門実践教育訓練給付】
の2本立てになっており、
【一般教育訓練給付】では、受講費用の20%(上限10万円)を給付。
【専門実践教育訓練給付】では、受講費用の最大70%(年間上限56万円)を最大3年間給付となっています。
特に専門実践教育訓練給付は強力で、
例えばビジネスマンの登竜門であるMBAを取得しようとグロービス経営大学院に通った場合、2年間の学費は300万円ほどとなりますが、
この制度を利用すると最低でも80万程度の給付金が支給されます。

これだけ手厚い給付金なら要件が厳しいだろうと思われがちですが、
上記の給付を受けようと思った場合、
・雇用保険の一般被保険者であり、
・雇用された期間が3年以上(初めての申請の場合2年以上)
であればOKです。

つまり、一般的に企業に勤めている方でしたら、
どなたでも問題なく給付を受けることができるわけです。

ちなみにライトな一般教育訓練給付は、
雇用保険加入期間が通算1年以上で給付対象となります。

こんなに手軽で手厚い国の給付金なら申請しない手はないですよね!

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■公務員は「教育訓練給付金」が使えない?!

もうタイトルの通りなんですが、
この給付金、実は公務員は申請することができないのです・・・orz

申請要件を見ると”雇用保険加入期間”と記載があるのがわかると思います。
ここがミソで、公務員は雇用保険に加入できないので支援の対象外となるわけです。残念です。

■実は過去にもこの点は問題になっている

この点について過去に論点になっていないか調べたところ、
人事院の過去資料に論点に関する記述を見つけることができました
その中に下記の記載があります。

参考)人事院資料
国家公務員には雇用保険法が適用されていないという法的枠組の違いをどのように考えるべきか (例えば、失業給付や教育訓練給付は、定年前の職員 にも適用されていない )

あくまで議論なので、明確な回答はでておりませんが、
この議論、なんと平成21年(10年前!!)の出来事なのです。
何も対策が施されていないことがわかりますね・・・泣

しかもショックだったのはその文の中の下記の記述です。

参考)人事院資料(同上)
定年前の職員について雇用保険が適用されない趣旨は、一般の民間労働者に比して身分が安定しており、雇用保険が本来的な給付の対象としている景気変動による失業が起こりにくいこと等によるとされている。

・・・・いつの時代の話ですか?
公務員だから身分が安定?

どんな職場でもリスクはあります
・パワハラ上司、
・人間関係
・苦情処理
・家庭の事情
・AIやRPAの進歩
・財政難
・災害 etc...
むしろこれら一般企業より閉鎖的かつ流動性が低い公務員の職場が直面しているリスクです。

その上で、社会課題は増加の一途。
マニュアル一辺倒で対応できない業務が増える中で知見を増やす努力もできない。

これが現実なんです、
「お前らは安定しているんだから自己啓発なんかしなくていいよ」
制度上そう言われ続けているのです。

■公務員が自己啓発することの社会的メリット

公務員がキャリアアップのために自己啓発する社会的なメリットはあるのでしょうか?
私は社会にとって数多くのメリットがあると考えています。
公務員が自己研磨をし、能力を身につけていくことで起こる現象は
「公務員の人材の流動化」です。

公務員という世界は閉鎖的で見えにくいですが、
とても優秀で外部に興味を持っている職員が多くいるのも事実です。
そういった公務員が転職や勉強のために外部に出て行き、
多様な職種の方々と交わっていくことで以下のような現象が起こっていくのではと考えています。

(例)MBAの教室に公務員がいたら?
→プロジェクトの立案に行政の視点が加わるかもしれません。地域の社長と対等に経営について語り合い、アドバイスをする職員が出て来るかもしれません。行政の視点からベンチャーが生まれるかもしれません。
(例)民間企業の採用担当に元行政職員がいたら?
→行政職員の履歴書を正確に読み解き、優秀な人材をヘッドハントできるかもしれません。
(例)英会話教室に公務員がいたら?
→ふとした時に外国籍の市民と市役所内でとっさにコミュニケーションがとれるかもしれません。

※公務員は、残念ながら精神を病む方が多い職場でもあります。
いつでもやめられる力をつけておくことは、自分の身を守ることにも繋がるのです。

これらの自己啓発する公務員の姿は既に一部の界隈で起こっています。
ただ、これらは教育訓練給付金を受け取れず、それでもやりたい一部の人たちが身銭を切ってやっているのが実情なのです。
こんな職員がもっと気軽にたくさん出てくる未来の方が素敵だと思いますが、いかがでしょうか?

■この状況を変えるために

そのために、
本給付制度に変わる基金を設立できないでしょうか?
自己研磨をしてスキルアップをしたい公務員の皆様に一定の要件のもと給付金を支給する基金です。
公務員の人材が流動化することによって日本全体で見たときに大きなメリットがあります。それらの考えに共感いただける民間企業の方々、そして公務員自身、資格学校等から寄付を募り、皆様からの気持ちを公務員の若手職員の育成に充てられないでしょうか?

本来これは国がやるべき制度だと思っています。
よって本基金は国に対してこのようなニーズが高いこと、そしてそのメリットが大きいことを同時に発信して行く社会的メッセージの役割も果たしたいと思っています。
何が自分にできるかはわかりませんが、まずは本課題を多くの方に知っていただければと思います。


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