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「ありがとう」は言わない

ああ、
頭と肩が、ずしんと重い。
生理の前の、毎月の合図だ。
あまり頭痛薬を使いすぎても効果が薄まるから、
休める時には休んだり、季節によっては冷えに気を付けたり、色々する。
それを、あなたは心配する。
薬を買ってくる。
かいがいしく世話を焼く。
でもいいの。
分かってるの。
だって、
13か14くらいからの付き合いだもの。
毎度毎度、「ん? 今回のはちょっと辛いな」とか、
「今回は寝れば良くなりそうだぞ」とか、
言葉では言い表せない微妙な違いを感じ取って、
どうにかしているのです。
それをあなたは、
「理解したいから」と
私に無理に説明をさせる。
「フライドチキン」と耳にすればフライドチキンが頭に浮かぶでしょ?
「乗り物酔いしてさ」と聞けば乗り物酔いの感覚が蘇るでしょ?
今の私も同じなのに、
あなたは「それじゃあ優しくできないな」と、言う。
「理解したい」は、「理解しないと気が済まない」の間違いでは?
「頭痛薬買ってきたよ」は「頭痛薬買ってきてやったんだからな」が真実。
結局、自分のためなのです。
「こういう時は『ありがとう』じゃねえの?」ってあなたは言うけど、
今回は頭痛薬飲まない方が良いパターンだし、
お粥を食べたいと身体は言ってないし、私も言ってない。
最初はありがとうを言っていた。
だってそりゃ分からないもの。
でも、
身を削って説明しても、
あなたは理解してくれない。
「前回はこれで良くなったじゃんか」と
あなたがご機嫌ナナメになっちゃう。
このままだったら辛い状態の私が、
「ごめんね」と
言わざるを得ない状況になる。
でもあなたは言う。
「ごめんね」に対して、
「良いんだよ」って俺は返すよ
と。
エゴに酔うのは、青春が消えた中二病。
可愛くもないし、優しさでもない。
私はね、自分で自分の機嫌くらい取りますので。
してほしいこと、できないことは言いますので。
だって、実質的に動かなきゃ、生きてけないでしょ?
こうやってきたから仕事もしてこれたし、生活をキープできたわけ。
「頭痛薬切らしちゃったから買ってきてほしい」と言われて
「は?」と思ったら、
そちらも素直に言ってくれて結構です。
さてさて今回は、
カモミールティーでも試してみるか。

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