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歌詞

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2021年7月の記事一覧

記憶

記憶

あなたの記憶に残りたければ
歌でも贈るのがいいと思うんです
その甘い声で口ずさんでくれたら
どんなにか嬉しいことでしょう

ベタだけどラブソングで
爽やかな中にとろり
あなたへの想い溶けているような

世界中の誰にも
あなた以外の誰にも伝わらない
密やかな愛を贈ります
普段は忘れていてね
その笑顔の歪んだとき
たとえば寂しい夜にでも
聴いてやってくれませんか

あなたの記憶に残りたくって
歌でも贈

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かげおくり

かげおくり

今日は空が青いね
雲も楽しそうだ
じゃれ合いながら一歩一歩
歩いていく
懐かしくなるような天気だ

見上げた夏の陽気に
重なる愛を焼き付け
天高く見下ろす神さまへ
僕たちの声を響かせた

暖かいね
どこまでも大きく大きく
広がっていくのは
僕たちの歌だ
ずっとなんて言わないけど
続いていくこの声を
ありふれた日々に埋もれ去った
欠片とともに

今日は風が強いね
雲も忙しないな
帽子押さえて蹴っ飛ば

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夢中

僕らより背丈の高い草原に
すごいすごいと言って駆け出した
おっちょこちょいな君は躓いて
僕が抱きかかえる
花のような君が笑う

躓いたのはクマの背中で
小さなクマが立ち上がる
君は少し見つめ合ってから
僕を振り返る

くしゃっと寄った目尻の皺
無邪気な笑顔に流されて
どこまでだってついていくよ
世界中に響きわたるように
鮮やかな声を咲かせて
地球を遊び尽くしてね

僕らより背丈の高い大波に
すごい

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未来

未来

パイナップルの缶を開けて
にんまり
ソファの取り合い
週末はだらだら
映画でも観ましょ

足の指の長さを競って
剥げたネイル気にしなくなって

好きなもの
好きなこと
教えてよ全部
隣にいて
共に生きて
分け合いたいね

夜ご飯の残りつついて
だんまり
意地の張り合い
カーテンを開けたら
ワルツを聴きましょ

床に落ちた髪の毛拾って
流れていく雲を目で追って

嫌なもの
嫌なこと
教えてよ全部

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