マガジンのカバー画像

歌詞

44
歌詞、のような詩を書いています。
運営しているクリエイター

2021年4月の記事一覧

フレーム

フレーム

眼鏡の奥から覗く
茜空 触れる指
歪んでいく 伸びる影

むずむずするような
優しい音 銀色の光
追いかけて掴む
悲しい雨

だめだよ
そんなに遠くちゃ
僕の目に映るところに
近づいて そばにいて
触れていたいんだ

眼鏡の奥から覗く
いわし雲 触れる頬
刻んでいく 伸びる影

ぽかぽかするような
寂しい音 銀色の光
立ち止まって巡る
愛しい風

だめだよ
そんなに近くちゃ
ピントが合うくらいまで

もっとみる
月潮

月潮

ざあざあざあ
繰り返す
満月の夜の波
ひとなんかいないずっと前から
この世は水で溢れている

心もきっと月に惹かれて
ひときわ大きくざわめく

月明かりの下
顔も歪めず泣いたきみの
頬を伝うその涙が
あまりにも綺麗で
僕は
そっと目を逸らした

ざあざあざあ
繰り返す
耳の奥で鳴る鼓動
きみなんていないずっと前から
この世は愛で溢れている

涙もきっと月に引かれて
満月の夜に溢れ出る

月明かりの

もっとみる
奇跡

奇跡

そっとベッドに潜り込んで
音を立てないようにイヤホン
冴えた目を無理やり瞑って
自然と開いて気付く
もう音を立ててもいいんだった

眠れない夜に
手を伸ばしても
広いベッドが虚しいだけ

この曲がいいよってふたりで
同じ画面覗き込んだ
あの距離に
奇跡を重ねていたのは
あたしだけだったの

あんまりうまくないんだけど
たまにはなんか作ろうかって
ふたりぶんのお皿並べて
盛り付けの前に気付く
もうあ

もっとみる