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「名もなき料理」と「クッキングパパ」

「ヨォーシ!父さん今日は腕によりをかけてスンゴイ料理作っちゃうぞぉ!!フハハハハ。」と、魔王のように笑い、白めの二の腕をむき出しにして、ディスプレイに食い入るように(パソコンごと食べんばかりの勢いで)レシピを調べ上げて調理をはじめる父さん。

やがてお腹をすかせた子供たちが「パパ、マダァ?」とぐずり始めるも、父さんは眼を血走らせて「ハアハア、あともう少し!あと90分煮込んだら完成だ!」と気を吐いている。もうやめろ。ピザを取ろう。とは言えないので、空白の90分をひたすら耐え忍ぶ家族。

やがて時は満ち、心なしかやつれ気味で眼をらんらんとさせた父さんが台所より這い出てくる。「できたぞ!どうだ!スンゴイんだから、熱いうちに食べるんだぞ。ウフフフ、ボナペティ!」

父さん、もう夜9時。
ボナペティじゃなくてオヤスミだから。


なんてこと、よくありますよね。

いや、ないですね。こんなん毎日やってたら父さんも家族も倒れてしまいます。

やはり適度に気を抜かないと、作るのに疲れ、食べるのに疲れてしまいますよね。肩の力を抜いた「名もなき料理」をぱっぱとこしらえる。むずかしいことですが、これは大事なことだと思うのです。

ゴチソウじゃなくたっていいんです。
多少おいしくなくてもいいじゃないですか。
それも父さんの味。父さんのせいです。

それに、名曲「名もなき詩」で桜井さんも言ってます。ちょっとくらいの汚れ物ならば、残さず全部食べてやる。と。
万が一、料理が汚れてしまった場合には桜井さんに相談してみましょう。

しかしなんと言っても「空腹は最高のスパイス」ですからね。

良いタイミングで気の利いたひと皿が出せる。古来よりひとびとはそんな父さんに敬意を込めて「クッキングパパ」と呼んできたのではないでしょうか。

たぶん、違いますね。


さて、与太話もほどほどに。


写真の料理ですが、これも名もなき料理です。
冷蔵庫で出番を待ちすぎて少々疲れぎみのにんじんとピーマンを豚肉と炒めてみました。

①適当に切る。
サイズが大体そろっていればいいです。多少ばらついても持ち前の愛嬌でごまかしましょう。

②油をひいて野菜を炒める。
にんじんからよく炒めて香ばしさと甘さを、ピーマンはさっと炒めてみどりの風味と食感を引き出します。ちょっと物足りないくらいの塩こしょうを忘れずに。

③肉を炒める。
野菜たちを一度お皿にあけ、空いたフライパンに豚肉をよっこいしょ。単体で食べて丁度良いくらいに塩こしょう。軽く焦げるくらい炒める。

④野菜と合わせ炒める
野菜を投入して炒め合わせる。「ふふ。コイツら、一体感でてきたな」というところで鍋肌から魚醤をちょろりとたらす。魚醤はしっかり火を入れれば生臭さが抜けます。焦げた香ばしい香りをまとわせましょう。

完成!!
缶ビールとかウーロンハイとかをガブガブ飲みながらげらげら笑って食べましょう!

ポイントは2つ。

○具材ごとに炒めて、それぞれが実力を発揮しやすくしてあげる。終始中火〜強火。

○魚醤(しょっつる、ナンプラーなど)を使うと、旨味が乗ってやたらおいしくなります。

です。

我が家では「鮎の魚醤」を使っています。
くせが少なくて大変使いやすいのでオススメです。



それでは、また明日。

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