「ひとり焼肉マン」と「完璧な焼き鯖」
寝静まった街の、ひと気のない台所。
ガスコンロと換気扇のあいだにやつは現れる。
そう。
怪人「ひとり焼肉マン」である。
(説明しよう。ひとり焼肉マンとは、どうしても焼肉で晩酌がしたいという欲望が強すぎて、ついに台所で「ひとり焼肉」を始めてしまった人間たちの総称である。)
チッチッチッチ、ボゥ!
ジュー、ジュー、ジュー。
フライパンの上で1枚ずつ焼いては、
塩、タレ、塩、タレ、と
熱々をほお張りながらビールを流し込み、
「これが、自由。」
静かに恍惚にひたる。
誰にも気を使うことなんてない。
最初っから脂身コッテリの徳用カルビを攻めたっていいのだ。(タン塩から焼かなければならないなんて、誰が決めた?)
キムチをつまみながら、キャベツ、玉ねぎ、ピーマンなども焼く。(余談ですがタレはジャンが好きです!モランボン!)
あとはひたすら塩、タレ、塩、タレ。
おじいちゃんと一緒に、塩、タレ、塩、タレ。
ときどき、誰も見てやしないのに
「ふむ。やはりトントロには新鮮な柑橘系の果汁が不可欠か。次はシークヮーサーを試してみよう。」
などと研究者ぶったセリフを吐きながら
塩、タレ、塩、タレ、ウィズビール。
(湯呑みで本醸造のお酒をあおることもある。)
しまいには勢いをそのままに石焼ならぬ、
「フライパン焼ビビンバ」までやってしまう。
そして、きちんと片付ける。
洗い物をしながらひとり反省会。
(後悔ではなく、次回の改善点を検討する。)
そうして「ひとり焼肉マン」たちの夜は更けていくのです。
片付けも簡単ですしイベント感もあり、
ひとり焼肉は、なかなか楽しいのです。
どうです。
あなたも「ひとり焼肉マン」になりませんか?
(ちなみに、ひとりしゃぶしゃぶマンというヘルシー志向の怪人もいます。)
はい。
ということで与太話もほどほどに、食事の話をしましょう。
本日ご紹介しますのは福岡は天神に知る人ぞ知る銘店、(なんだか、福岡のまわしものみたいになってきた。)「真(まこと)」です。
こちらのランチメニューは「鯖の一枚焼き定食」のみ。先代からカウントすると、なんと100万枚以上の鯖を焼いたそうで、その鯖焼きスキルはまさに芸術の域。
鬼のパリジュワ。
(パリっパリの皮、ふんわり焼き上がったボディーからはサバジュースがしたたる。)
僕はこれほど完璧な焼き鯖を他に知りません。
(トップの画像の焼き鯖です。)
ご旅行などの予定が立ちましたら、ぜひスケジュールに組み込んでいただきたいお店です。
それでは、また明日。
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