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ディープダイブこそが面白い、A1Aの事業に対するこだわり

こんにちは、A1A COOの西島です。
今回はA1Aのプロダクトリリース・資本業務提携のリリースに伴いブログリレーということで、CTOの佐々木に続きnoteを書きます。

佐々木はA1Aのカルチャーについての記事ですが、私からは事業の側面についてより深くお伝えできればと思います。
なお、佐々木との対談記事もあるので、ぜひ併せてご覧ください。
※本記事ではUPCYCLEのプロダクトについてはあまり言及していないため、興味をお持ちいただいた方は前提知識としてご覧ください。


はじめに

A1Aはこの度、豊田通商との資本業務提携を含む4億円の資金調達を実施。調達コスト最適化を実現する『 UPCYCLE 』の提供を開始しました。

ピボット以降、ずっとA1Aは事業を仕込むフェーズを続けていました。本リリースを経てここからは、攻めに転じていきます。

UPCYCLEをリリースするまで様々な出来事がありました。ピボット前にはRFQクラウドというサービスを提供していましたが、ピボットから、どこまでをピボットするのか。誰のどんな課題を解決するのか、どのような戦略を描くのか。様々な葛藤を経てここまできました。
この記事を読んでいただけた方には、A1Aがどのような事業づくりを行っていて、どのような戦略を描いているのかの一端を知っていただけたら幸いです。

ピボット以前の事業について

ピボット以前のプロダクトは、「見積プロセスの効率化」を目指すプロダクトでした。見積依頼〜回収、決定のプロセスを一元化し効率化するというコンセプトです。その営業活動を通して、様々なお客様と話す中で、ニーズが大きく5つのグループに分類できることが分かりました。

5つのグループはどれもプロダクトとして提供する価値が大きく異なると想定されたため、それぞれに対応するとすれば非常に大きな投資となります。
スタートアップの基本戦略は選択と集中です。
この5つのニーズを持つお客様に対して薄く広く課題解決をすべきか、もしくはもっと絞って唯一無二な価値を追求していくべきか。ピボットの判断をする際にはこのような葛藤を抱えていていました。

というのも、当時のプロダクトであるRFQクラウドも市場のニーズを捉えていて、幅広く売れていました。キーエンスやSalesforceで営業をしてきた経験から商談化率や受注率の一般的な感覚はあるのですが、それらよりも良い状態だったので、なおさら悩ましい状態でした。
売れてるし、このまま伸ばしていけばいいのではないか?ということも頭を何度もよぎりました。

ただ、当時の議論の中で非常に印象深いのが「今のままではスタートアップの登り方として良くないのではないか、それなりに売れるプロダクトをそれなりの時間で作っていくことになんの価値があるのか?」という話でした。
今売れているから、というのは非常に近視眼的だったとハッとさせられたのを覚えています。
当時、営業部門の責任者をしていた私もこのタイミングでピボットし事業開発を改めて行っていこう、と決心しました。

改めて決めたA1Aの事業領域

ピボットが決まったあとには、まず最初にピボットの範囲を検討していました。今までと同じ購買部門にこだわるのか、それ以外なのか。

一番最初に決まったのは、B2B取引に関わる事業領域という点です。その中でも、調達(買う側)にフォーカスをしようと決まりました。ピボット前と大きくは変わっていないのですが、「調達部門」にこだわらずに課題探索を行おうと決めました。

実はA1Aという社名自体、「B2B取引をワンランク上に」という想いからB2Bを1文字ずつ前に出す、というのが由来です。(B2B→A1A)
これは代表の松原の原体験としてB2Bの取引にまだまだ大きな負があると感じていたのもありますが、この領域は非常に大きな市場規模になるポテンシャルがある領域だということが一番大きいです。

その非常に大きな市場規模というのが、製造業に限っても国内で400兆円あります。加えて製造業は買う→加工する→売るというビジネスモデルなため、他業界よりも買う割合が大きいです。A1Aがターゲットにしている「直接材(製品に使われる材料や部品)」に関しては、その6割を占める240兆円という額が取引されています。
このとても大きな市場をA1Aとしてもしっかり狙っていく、こんなことを決めたのがピボット後の最初の一歩でした。

製造業の調達にディープダイブする

領域を決めてからは事業開発のプロセスです。

一口に製造業と言っても、消費者向けの製品を作るメーカーやB2B向けの完成品メーカーもあれば、部品メーカーもあります。さらに、企業規模も様々で部門も様々です。
このように非常に幅広い企業があると、企業ごとに経営課題が異なったり、置かれている状況が異なっていたり、深い部分でのニーズは異なっています。

調達活動というくくりで言えば、部品メーカーはお客様からの引き合いを受けてから調達活動を始めるため、営業もステークホルダーに入ってきます。それ以外にも設計部門や原価企画部門、企業によっては経営企画部門や原価管理部門も調達活動に深く関わってきます。

これまでは購買部門のみとの関わりだったため、それらの部門がどう調達活動に関わるのかをあまり深く理解していませんでした。
そこで改めて、業界構造や企業構造、そしてその中で働いている人がどのような課題を抱えているのかをリサーチする必要がありました。

当時のA1Aには体系的なリサーチに関する知見が無かったため外部の専門家にも関わっていただき社内にリサーチプロセスを定着させていきました。今ではリサーチを行うことが日常化しているのですが、これは他社からも聞きたい!と言われることも多く、A1Aの資産となっています。

このリサーチでは、今まではお客様として接することの少なかった規模の会社や部門の方々にも広くリサーチを行うことで、企業ごとで異なる課題や部門間の課題、各部門のミッションなどを深く理解することとなりました。
これがA1Aが製造業の調達にディープダイブするきっかけとなるのです。

余談ですが、私は新卒で製造業のキーエンス、2社目はITのSalesforceで製造業チーム、そして今A1Aとずっと製造業キャリアを歩んできているのですが、それでも知らないことや分からないことがまだまだ山程あります。それほど奥が深いのが製造業の面白さだと感じています。

さらに調達に関しては製造業の奥深さが詰まった領域だと思います。
製造業の知見が無いので大丈夫か、と心配される方もいらっしゃいますが、知見があったとしても私のように実は知らないことがほとんどなので大丈夫です。後天的に付けていく知識が多いので今知らなくても大丈夫というニュアンスで、知見を付けていくための知的好奇心が重要です。

ディープダイブを経て、得た気付き

このようなリサーチを通して、改めて事業の捉え方が変わりました。製造業でもビジネスモデルが異なる企業であったり、調達部門だけでなく幅広い部門に対してリサーチができたことが非常に意味のあることでした。

  • 企業が違えば、同じ業務を行っていてもその先に達成したいことが異なる。

  • 部門が違って業務が違っても、最終的に達成したいことが同じことがある。

前者は、企業のビジネスモデルによって大きく異なります。後者は、企業の規模が大きくなると顕著に出てきます。部門は分業の結果として組織されるので、部門とそのミッションと業務を構造的に理解すると、ある意味その企業の重視するポイントが見えると言っても過言ではありません。

A1Aでは、後者の最終的に達成したいことをピン留めして各部門の業務を構造的に理解していくことで、事業戦略を作っています。
非常に市場規模の大きい領域に対してディープダイブして、解決する課題を広げ、価値提供する範囲を広げていくというのが特徴です。
そのため、ビジネス部門としても今売るものだけを売るというプロダクトセリングなスタイルではなく、事業開発という視点も持ちながら活動が求められるというのが特徴です。

UPCYCLEが狙うターゲット

これらのリサーチや検討を経て、現在ではグローバル製造業(量産メーカー)をメインターゲットとして置いています。グループ全体で数万人〜十万人社員がいることがざらにあり、そして世界中に拠点があります。

そのような企業では前述の通り、高度な分業や複雑な業務が行われています。そのため、汎用的なサービスでは一定の効率化しか出来ず、本質的な課題解決を行うのが難しくなります。逆に、だからこそ解決されていない課題が沢山残っているとも言えます。

A1Aはこのようなグローバル製造業に対して、効率化ではなく経営課題に紐付く課題を解決していきたいと思っています。
作業が大変だ、という問題ではなく、それが企業の経営視点でなぜ解決すべき問題なのか、なぜ今まで手付かずになっているのか、という構造まで深堀りをしていきます。そうすることで、非常に付加価値の高いサービスを提供できるようになると考えています。

また、その問題の構造を理解し課題を紐解いていく、このディープダイブが非常に面白いプロセスだと感じています。エンタープライズ企業がターゲットなため、一つの課題を紐解くとさらに関連した課題が見付かっていきます。
こうやって今まで解決されていなかった課題を見付け、お客様の経営課題を解いていくことが出来るのがA1Aの事業の面白さ、価値、A1Aとしての狙いです。

UPCYCLEに辿り着くまでに

もちろん順調なことばかりではありません。
ここまで来るまでに、考えたソリューションをお蔵入りにするであったり、作ったソリューションが上手く機能せずピボットするなどがありました。

詳細はまた何かの折りにご説明できればと思いますが、どちらも共通しているのが、お客様がいまやっていないことをソリューションに落としてしまったことが共通しています。
達成したいことがあり、こういうことが出来たらなぁ。とアイディアを具体化したとしても多くの場合、失敗します。

当時は本当にこのまま進んでいいんだろうか。これで本当に売れるのか、以前よりももっと良い成長ができるのか、この事業の発展性はどうか、など様々なことを考え悩んでいました。

今はグローバル製造業を軸に、UPCYCLEが様々な企業への導入が進んでいます。以前よりも高単価かつ、商談化率や受注率などのプロセスも向上しています。今後の事業展開に関しても別プロダクトやアドオン製品、それ以外の事業など周辺領域まで広げていくことを決めています。

今後も継続する事業開発と進めるGoToMarket

このように事業開発と事業戦略を決めてきました。
ただ前述の通り、別プロダクトやアドオン製品など事業展開を進めていきます。そのため、事業開発はUPCYCLEがリリースされた後も続いていきます。むしろ重要度が増してくると言えます。

UPCYCLE以外に領域も増えてくるため、様々なテーマでの事業開発を行っていく必要があります。お客様を最も知っているのは最前線にいるビジネス部門なので、ビジネス部門も事業開発のスキルを身に着けていくことで事業開発への貢献が可能です。

また、UPCYCLEや今後出てくる製品群のGoToMarketも強く推進していく必要があります。現在はまだまだビジネス部門の人数も少ないため、組織づくりもこれからで、強化していきたいところもたくさんあります。プロダクトだけで付加価値を出すのではなく、ビジネス部門も付加価値を出せる組織をつくっていきたいと思っていますので、そのような興味がある方はぜひお声掛けください!

まとめ

A1Aはピボットを経て、製造業の調達領域に対してディープダイブをしてきました。結果、グローバル製造業にフォーカスし、事業展開を進めていくことに決め、UPCYCLEをリリースすることとなりました。
これを皮切りに、さらなるプロダクトやアドオン製品、新サービスを出していく予定です。

グローバル製造業は市場規模もそうですし、私達が貢献できる余地でも非常にポテンシャルがある領域です。
そこにディープダイブを続けて、事業開発とGoToMarketを繰り返していく、そのようなことが面白いと思える方は非常に面白い仕事ができると思います。

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