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"教育改革"のその先へ ~新時代に求められる人物像とは~

昨日、は 5/19 (日) 東京大学本郷キャンパスで行われた 「ROJE mayfes education forum 2019」に足を運んできました。14時開演だったので13:30くらいに入場すると、後から後からとても多くの人々が ──。

この記事では、僕がこれからの教育について考えたこと・フォーラムの感想について記します。


目次・あいさつ・一般人の「教育づくり」・基調講演① 中村伊知哉氏「つくるひとになろう」・基調講演② 工藤勇一氏 「学校教育の本質から問い直す」


・あいさつ

初めのあいさつでは、早稲田大学の椎名愛さんがOECDの話をされました。OECDが掲げるLearning Framework 2030, そのなかで 個人と社会についてのwell-being 2030についても語っていました。OECDの「教育とスキルの未来 2030」では各国の以下の問いに対する課題を解決するためのコンピテンシーを示しています。

Key competency 1 新しい価値を創る力2 対立やジレンマを乗り越える力3 責任ある行動をとる力

ここで、せっかくのエッセイ形式なので、自分の考えを述べたいと思います。僕は①新しい価値を創る力 は特に大切な能力だと感じています。僕自身、デジタルネイティブ世代でGoogleの創立と同じ年に生まれていますから、情報サービスに不便を感じたことはありません。ですが、モノや情報がすぐに手に入る時代だからこそ、それら自体の価値は薄れていると考えます。したがってモノや情報を組み合わせたり、解体して創造する力が必要という椎名愛さんの話に出てきた要素に共感できます。

数年前に誰もYoutuberの出現を予想しなかったように、VRの可能性を知らなかったように、イノベーションを個々人にとどめておくだけではなく、アイディアを集約させる力がこれからもっともっと求められるのではないでしょうか。


話は飛びますが、OECD Education 2030 の仮訳の中では、「VUCA」についても触れています。以下のような記載があります。

「VUCA」(不安定,不確実,複雑,曖昧)が急速に進展する世界に直面する中で,教育の在り方次第で,直面している課題を解決することができるのか,それとも解決できずに敗れることとなるのかが変わってくる。新たな科学に関する知識が爆発的に増大し,複雑な社会的課題が拡大していく時代において,カリキュラムも,おそらくは全く新しい方向に進化し続けなければならないだろう。 引用元


・一般人の「教育づくり」

僕は「教育」は全ての思考や行動の根幹にあると思っています。学校だけが教育をするものとは思っていません。したがって、一般の方々も教育に対して積極的になる必要があると考えています。

僕自身、大学入学まで「OECD」や「SDGs」という言葉を知りませんでしたし、最近は「VUCA」「GAFA」など略語が増えてきているので、これらの言葉の知名度を上げなくてはいけないと思います。

そもそも、このようなフォーラムに参加する人は、学校関係者や大学生ばかり──。先日、SNSで石川県内のSGDsの知名度についての記事を見ましたが、知っている人は半分の人口も満たしていませんでした。

どうしたらよいのでしょうか。少しでもいいから、町のお店に紙を貼るのもよいかもしれません。




・基調講演① 中村伊知哉氏「つくるひとになろう」

中村さんの講演が終わった瞬間、「おもしろい」と「すごい」のオンパレードでした。語彙力が少ないのがばれてしまいましたね(笑)
中村さんは◎ tech×pop を最も大切にしているそうで、当日も東京大学に来るまで電子マネーしか使わなかったそう。coolです。そんな中村さんが指摘したのはこちら。

「超ヒマ社会がくる」
遊ぶ・食べる・仕事する・好きな勉強しかしなくなる時代がもしかすると2030年にやってくる。こんな時代がもしやってきたら、大切なことは以下の通りだとおっしゃっていました。

大切なこと①つくる 僕はあなたはなにをつくるか②変化を楽しむ

3つ中村さんがつくること
Sport…研究者だけではなく、みんなで作ろう。誰もが乗りこなせる車を作るとか、ドローンでドッジボール大会を開催するとか、そのようなことです。
e-sport の盛り上げ役 としても貢献したいそうで2024パリのオリンピックで正式種目になるのでは?とも言及していました。

City…Contents innovation Project。これ滅茶苦茶おもしろそうです。「竹芝CiP」港区竹芝にデジタルとコンテンツ集約させたシリコンバレーとハリウッドを合体させたような街が2020年夏に完成予定らしいのです!!50の企業団体 国家戦略特区の認定を受けており、iOT特区を作りたい! と熱い野望を感じました。この
「竹芝地区開発計画」を初音ミクにしたいと中村さんは語ります。「?」と一瞬なりましたが、 ①テクノロジーを(で) ②表現できる力を伸ばし ③ネットで育てたい らしいのです。まさにTech+Pop+Net の集大成ですね。ああああああ、完成したら行きたいなぁ、入れるのかなあ?

School…iU 

中村さんがやりたいことiUは、「i専門職大学(仮称)」です。教授の8割は企業から連れてくる。企業「で」企業「と」オンライン「で」をモットーにしています。ビジネス色が強いと感じましたが、ビジネスから学ぶことは多いはずです。むしろ、私たちは企業と教育がいままであまり交流がなかったことに対して、疑うべきだったと思います。生徒全員に起業体験をしてもらう計画もあるみたいです。わぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、滅茶苦茶楽しそう。→ICT×Biz×Englishの融合と結論づけました。

さらに、だれもが学校でPCやスマホを使える環境を作りたい!と語る中村さん。2018年、デジタル教科書の法律できた日本に対し、「やっと日本も変わってきた」とポジティブな印象を受けていました。とはいえ、日本の学校のPCやタブレット端末の支給率は6人に1人の割合。まだまだ少ないですね。

最近では、お笑いの吉本興業が教育事業に参入するニュースも話題になりましたね。中村さんは、そのことについても、語っていました。NTT Groupと吉本興業がタッグを組み、5Gを使って世界に発信する──。どんな教育事業になるのか楽しみですね!!





・基調講演②工藤勇一氏「学校教育の本質から問う」

最近メディアによく出演なさる工藤勇一さん──、学校教育を本質から問い直し学校の当たり前をやめたという強いメッセージを持っている方です。

「麹町だからできるんじゃないの?」という批判がよく来るみたいですが、今回はそこからはずれた部分をお話ししてくださいました。

Keywords: 当事者意識 目標の合意形成 目的と手段 対話 民主的な考え方

麹町中学校の生徒は、入学時には全国平均の偏差値くらい。それが卒業時にはドンと上がるそうです。部活はほとんどを外部に委託しており、教員さんが本当の意味でコーチングに集中できる環境があるなと感じました。
購買部は生徒によって運営されていたり、数学の授業ではAI搭載のアプリを使用したりしています。そのおかげで、年間140時間かかる数学の授業が、早い子で30時間で終わる ともおっしゃっていました。

最も目立つ改革、それらがこちらです。

定期テスト・宿題の廃止固定担任制の廃止服装・頭髪指導の廃止生徒会主催私服登校期間設定

です。

僕が感動したのは、工藤勇一さんの服装・頭髪に関する発言です。「大人が問題にしなければ、問題にならない。学校に、その問題という概念がない。」ああ、ここまで本質を語る先生がいたんだと感動してしまいました。


他にも今までの学校教育に対する指摘をなされていました。

手をかければかけるほど自律ができなくなり自分がうまくいかないことを誰かのせいにすうようになる→勝手に理想を描き勝手に不幸になっている→「ありのまま」を受け入れることができなくなる→当事者意識がなく人の批判ばかりして惰性で動く→惰性で動くから手段が目的と化す

勉強時間が増えることって本当によいことなの?机に向かう習慣づけは本当に大切?など、手段の目的化が危ないことを知らされました。

学校の目的は、コミュニケーション社会で生きていく力をつけて、よりよい社会にしていく。そしてすべての子どもが「世の中ってまんざらでもない!大人って結構素敵だ!!」と思えるようにすることです。でなければ、学校の存在意義はないと言及していました。








・ROJE mayfesは最高だった!!

初めて訪れたフォーラムでしたが、帰りの電車でなぜ自分が教育について追い続けているのか考えました。

①自分たちの思考や行動の根源に教育があるから②教育は「学校」だけが行うものではないと気づいたから③「手段を目的に」している人が多い原因を知りたいから

でした。

考えるきっかけを作ることができたのはこのイベントのおかげだと思います。教育改革とは単なるカリキュラム改訂ではないですね。教職課程をとっていない僕も、見逃せないタイトルでした。

登壇者の方だけではなく、ご親切な運営にも感謝したいです。また行きたいな。

猫ワインでした!!

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外資系専門商社でBtoB, BtoG営業をしています。さまざまな社会問題や身の回りに起きた出来事を発信しています。「新しいモノ・コトで人々の生活を豊かにする」