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プロダクトマネージャーになりたい人にお勧めの本7選+おまけ

プロダクトマネージャー(PM)には広範な範囲の知識が求めらる一方で、ファイナンスやマーケティングと違って、そこまでかちっとした理論や枠組みが整理されているわけではありません。私もPMに職種を変えてからは、どうやって問題に挑戦していけばいいのか、というのを思い悩む毎日でした。こういった壁の乗り越え方は大きく分けで二つあり、一つはメンターに相談すること、もう一つはとにかく本を読んで勉強することです。本稿では、二つ目の本を読む、という点にフォーカスし、私が読んだ本をご紹介したいと思います。(アメリカで情報を調べて買ったので、アメリカのプロダクトマネージャーがよく読んでいる本、と言えるかもしれません)

1.Inspired: How to Create Tech Products Customers Love

これは鉄板の一冊なのでトップバッターとして紹介します。Kindleのリンクはこちらから。日本語訳もあります。

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私がPMにとって最も大事だと考えるUX(顧客体験)に始まり、どうやって顧客のペインポイントを探っていくのか、その裏付けをとっていくのか、Product Market Fitとは何か、Go To Market Strategyをどう考えるのか、そしてそれをエンジニアやUX Designerのチームをどう巻き込んで作っていくのか、という点を極めて丁寧に追っています。極めて実践的な内容であり、PMを志す人はまず手に取るのではないでしょうか。私がPMを希望する社内の人にまず最初に勧める本です。

2.My Product Management Toolkit: Tools and Techniques to Become an Outstanding Product Manager

Inspiredよりさらに実践的でコンパクトにまとまっているのがこちら。Kindleのリンクはこちらからです。

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Toolkitと題しているだけあり、実際に使うテクニックなどが多数盛り込まれています。Inspiredを読んでPMという仕事の全体像をつかんだ後、じゃあ顧客ってどう考えたらいいんだ、や、どうやってアイデアをプロダクトに落とし込むのか、といった具体的な質問に答えてくれる本です。もしかしたらPMに実際になった後に読むと更にありがたみが増すかもしれません。

3.Competing Against Luck: The Story of Innovation and Customer Choice

MBAを出たら絶対に読むであろうInnovator's Dilemmaを書いたハーバードのクレイトン・クリステンセン教授による本。キンドルへのリンクはこちら。日本語版はこれだと思います。

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私が顧客のペインポイントってどう考えればいいんだ、何がヒントなんだ、と思っていた時にメンターに勧められて買った本です。顧客は商品を買うのではなく、何かのJobを達成するために”雇用する”、というのが本の中核的なアイデアです。何のJobを達成するために既存の製品を雇用しているのか、ということを突き詰めることでInnovativeなプロダクトを生み出すことができる、という点、非常に納得感がありました。

4.Crossing the Chasm

Product Market FitやGo To Market Strategyの金字塔です。MBAの授業中に著者がクラスに来てくれたので非常に印象深い本です。キンドルのリンクはこちら。日本語版はこれですね。

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製品をマーケットに出すときは、実は連続的な顧客獲得ということはほとんどなく、メインストリームのマーケットに出るためには、最終的にChasm(はざま)を越えなければならない。この非連続的なジャンプを達成するには、今までと違った製品開発の考え方が求められる、というもので、特にスタートアップやプロダクト/フィーチャーの初期ステージを担当している人にとっては必ず読むべき一冊だと思います。

5.The Lean Startup: How Today's Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses

おそらく説明不要と思われる、製品開発過程の金字塔です。これだけ読んでおけば、とりあえずAgileな開発環境で右往左往することはないでしょう。キンドルのリンクはこちら。日本語版はこちらですね。

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製品開発を逐次的な製品の投入と顧客体験のLearningプロセスと位置付けることにより、マーケットにMVPを出すことで製品開発の裏にある仮説を実際の顧客の反応を元に検証し改善していく、という方法論です。MVPの設計やKPIの設定などPMとして絶対に知っておくべき点が丁寧にカバーされている良書です。

6.Sprint: How to Solve Big Problems and Test New Ideas in Just Five Days

最初は五選、ということで本稿を書き始めたのですが、PMという仕事の面白さ、問題解決のエキサイティングさをお伝えするという意味で、この本を追加しました。キンドルのリンクはこちら。日本語版はこちらですね。

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GV(Google Ventures)で使われるDesign Sprintという方式を用いて、様々な問題を解いていく様を実際の事例をもとに解説しています。これを読むとDesign Sprintをやりたくなること間違いなしだと思いますし、通常のAgileな開発現場にも活かせるヒントがたくさんあるのでは、と思います。

7.Hooked: How to Build Habit-Forming Products

これも最後にいれることにした本です。かなり昔にメンターに勧められて読んだ本なので、今回のリストを作るにあたって改めて読んでみたら素晴らしい本でした。キンドルのリンクはこちら。日本語版はこれだと思います。

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顧客が製品やサービスを買うときにふむステップを丁寧に解説し、そのサイクルの中で製品開発者として何に留意すべきか、から始まり、ユーザーが一度使ったら離れられなくなる製品をどう作るか、という点まで非常に詳細に解説をしています。

8.おまけ

書いているうちにたくさんいい本を思い出しました。上掲の本に比べると、おそらく分野特化型のものが多いので7選には含めませんでしたが、特定の分野に苦手意識がある、という場合は手に取って頂けるとよいのではないかなと思います。それでは一気にいきます。

A. Strategize: Product Strategy and Product Roadmap Practices for the Digital Age(リンク): プロダクトストラテジーとロードマップ管理

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B. Fifty Quick Ideas To Improve Your User Stories(リンク):ユーザーストーリーを学びたい方に

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C. The Design of Everyday Things(リンク):UIなど製品のデザイン

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D. The Art of Explanation: Making your Ideas, Products, and Services Easier to Understand(リンク):プロダクトの良さやコンセプトをどうやって伝えるかについて

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9.終わりに

私もたくさんの本を読みましたが、多くはメンターだったり同僚だったりから推薦された本です。情報があふれている昨今、時間を有効に使うという点で、こういった経験者からのアドバイスはとても有用だと思います。

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