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Star Wars: Galaxy's Edgeの思い出(その1)出発編/ミレニアム・ファルコン編

昨年の8月の終わり頃、僕は3泊5日でアメリカはカリフォルニア州・アナハイムのディズニーランドに行ってきた。もうずいぶん前の話で細かい記憶など曖昧なところがあるのだが、この思い出をしっかりと記録しておきたいと思い記事にすることにした。

今回は手始めに、旅行初日の出来事と、ミレニアム・ファルコンに乗ってみた感想などを見てみよう。

初めてのアメリカ

今回の旅行は準備の段階から緊張しっぱなしだった。なぜならば、この旅は僕にとって生まれて初めてとなる完全な一人旅だったからだ。また、僕は海外渡航の経験にも乏しく、小学校低学年の時に家族で行ったシンガポール旅行が最後の海外経験だった。こんな有様で海外一人旅に行こうなど、今になって思えば無謀極まりない判断だ。無事帰ることができて本当に良かった。

だが、そんなリスクを冒してでもアメリカに行きたい理由が僕にはあった。それがタイトルにもある、"Star Wars: Galaxy's Edge"の存在だ。

知らない人のために軽く説明すると、Galaxy's Edge(以下「ギャラクシーズ・エッジ」)というのは、ディズニーランド内にあるスター・ウォーズをテーマにしたエリアの名前である。このときはアナハイムのディズニーランド・リゾートにしか存在しておらず、その後フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにも建設された。

スター・ウォーズ好きを公言している身としては人生で一度は訪れてみたい場所である。しかし上でも述べたように、日本の東京ディズニーリゾートにこのエリアはない。また、今後日本に建築される予定も公表されていない。確実にそこに行きたければ、アメリカに行くのが唯一の方法だったのだ。

かくして、一緒に大枚をはたいてアメリカに行ってくれるような友達もいなかった僕は、一人ではるばるアメリカまで旅立つことにした。

出発の日

出発の飛行機は17時頃(日本時間)成田発の予定だった。旅行会社から指定された受付時刻は2時間前の15時頃だから、14時半くらいに空港に着けば充分に間に合う。だが、いよいよ出発だと興奮しまくってたうえにほぼ海外旅行初体験に近かった状態の僕は、いてもたってもいられず早々に家を飛び出し、13時半頃には成田空港に到着してしまっていた。

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そこから登場時刻までの間は、ひたすら乗る予定のないスター・ウォーズ・ジェットを眺めたり、ターミナル内のレストラン・ショップ街を何周も見て回ったりしながら時間をつぶしていた。

そうこうしているうちに搭乗時刻を迎え、いよいよ僕は夢のアメリカに向かって飛び立った。機内で映画を見るということにあこがれを抱いていた僕は早速『バンブルビー』という映画を見始めたのだが、出発したのが夜だということもあって、結局その1本だけ見て仮眠の体勢に入ってしまった。

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寝たんだか寝てないんだかよくわからない状態で数時間過ごしているうちに到着予定時刻の11時(現地時間)を迎え、いよいよ生まれて初めてアメリカの台地を踏みしめる瞬間がやってきた。入国ゲートをくぐり抜けてすぐにとった写真がこれだ。

行きの空港からホテルまでの移動だけは旅行会社の方で用意してくれていたので、早速宿泊するホテルに荷物を預けてとりあえず近辺を歩き回ることにした。

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これは遅めのランチとして食べたピザ。値段から一人前だろうと思い注文したのだが、出てきたのは1.8人前くらいの巨大サイズで、完食するのに一苦労だった。この所為で晩ご飯が食べられなかったのが少し残念。

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その日はディズニーの公式ファンイベントが行われており、別に図った訳ではないのだが会場もホテルのすぐ近くだった。もちろん入場券など持っていない僕はこのように会場の入り口を眺めることくらいしかできなかったのだが、「今まさにこの中で何か重大な発表がされてるかもしれない」と想像するだけで充分だった。

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アメリカの消防車。どうやらどこかで火事があったらしく、何台も慌ただしく走り回ってた。

このように一日中歩き回り、おまけに時差のせいで体内時計が完全に狂っていた僕は、夜9時を過ぎた辺りで猛烈に眠たくなりベッドに入った。

いよいよ入園

さて、ここからがいよいよこの旅の本番だ。時差ボケのせいで猛烈に早起きしてしまった僕は、なんとなくテレビをつけたり、予約が必要な店の予約を確認したりしながら今か今かとその時を待っていた。

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そして開園時刻30分前、僕は大勢の外国人に囲まれながらゲートの前に並んでいた。周りを見渡すと季節柄Tシャツ1枚の人が圧倒的に多く、そのほとんどには思い思いのディズニーキャラクターが印刷されている。当然、その日は僕もベイダー卿のTシャツでバッチリ決めていた。抜かりはない。

ノリのいいアメリカン達による景気の良いカウントダウンとともにゲートが開く。そのときは上手いこと自分と同じ目的を持つ人たちの集団に入り込むことができたので、流れに身をまかせるだけでギャラクシーズ・エッジに向けて一目散に進んでいくことができた。

フロンティアランド(TDLのウエスタンランドにあたる)の奥にある小さなトンネルをくぐるとスター・ウォーズの世界だった。

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すると早速、ご存知チューバッカとレジスタンスの隊員たちが僕たちを出迎えてくれた。(なんせ「立ち止まらないでください」状態だったもので、写真の出来は酷いものだが)

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ストームトルーパーもいた。普段は二人一組でエリア内を巡回しているのだが、このときは人が一気に押し寄せる時間であるということもあって、見張り台の上から目を光らせていた。

しばらくすると、このエリアの目玉アトラクションであるMillennium Falcon: Smugglers Run(以下「スマグラーズ・ラン」)の列の最後尾が見えた。開園直後だというのにものすごい長さの行列になっていて、その長さはどんどん長くなっていた。僕もはじめは周りの人たちと一緒に並び始めたのだが、このアトラクションがシングルライダー対応であることを事前に知っていたので、今慌てて並ぶ必要もないだろうと思い一旦その列から抜けることにした。そして、行列のことは忘れてのんびりエリア内の探索を始めることにした。(このシングルライダーがまた曲者だったのだが、それについてはまた後ほど)

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これがギャラクシーズ・エッジのメインストリートの写真。この一帯はスター・ウォーズの世界に存在する「バトゥー(Batuu)」という惑星の、「ブラック・スパイア・アウトポスト(Black Spire Outpost)」という町であるという設定になっている。

そしてギャラクシーズ・エッジ最大の魅力はここで、このバトゥーという惑星の存在およびここで起きる出来事は全て、スター・ウォーズの「正史」の一部として公式設定に組み込まれているのだ。

すなわち、このエリアに一歩足を踏み入れた瞬間に、我々は正真正銘のスター・ウォーズ世界の登場人物になれるということになる。

だから、スター・ウォーズが好きなら絶対に人生で一度は足を踏みいれるべき場所だ。

ミレニアム・ファルコンと大きな罠

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これはギャラクシーズ・エッジの最大のランドマーク、ご存じミレニアム・ファルコンだ。映画を見た人なら誰しもがあこがれる、スター・ウォーズで最も有名な宇宙船。その「実物」を目前にし、僕はつい興奮してファルコンだけの写真を無駄に何枚も撮ってしまっていた。

そしてこのミレニアム・ファルコンはただの飾りではない。上述のアトラクション、スマグラーズ・ランではこのファルコン号を自ら操縦する体験ができるのだ!

先ほど述べたように、僕はこのアトラクションがシングルライダー対応であることを事前に知っていたため、その制度を利用してゆったりと楽しむ予定でいた。

そして、ブラック・スパイア・アウトポストを一周見て回った僕は意気揚々とスマグラーズ・ランのシングルライダー列に並んだ。しかし、これがとんでもない罠だったのだ。

スマグラーズ・ランの中で大事な役割を果たしているのが、このホンドー・オナカーというキャラクターだ。彼がこのアトラクションのナビゲーター役を務めており、ホンドーがゲストの前で軽いスピーチをする場面からこのアトラクションがスタートする。

そして彼は『クローン・ウォーズ』や『反乱者たち』といったCGアニメシリーズの大人気キャラでもある。そんな彼が最新のアニマトロニクス技術でゲストの前に姿を現わすということで、発表当時は大きな話題をさらったものだ。もちろん僕も、彼に直接会える日をとても楽しみにしていた。

しかし!なんとこのホンドーのスピーチ、シングルライダーが通常列と合流する前に行われていたのだ!

ホンドーがいつ姿を現わすのか、僕はずっとドキドキしながら列に並んでいた。しかしついぞ彼の姿を見ることなく、気づけば搭乗口にたどり着いていた。そして、それがシングルライダーに並んだせいだと気づいたときには、正直「騙された!」と思った。その落胆は相当なものだった。

これを読んでる皆さんには僕と同じ失敗はしてほしくない。

だから、もう一度言う。絶対シングルライダーには並ぶな!

シングルライダーは確かに早かった。でも搭乗口までの道中は何もないただの通路でしかなかった。

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こんな感じでミレニアム・ファルコンを後ろから眺めたり、

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様々な小道具や仕掛けでいっぱいのQラインを楽しんだりするのもシングルライダーではできなかった。

だからこれから行く皆さんは絶対に通常列で並んでほしい。「でもほかのアトラクションも載りたいし長時間並びたくない」という人もいるかもしれないが大丈夫。アメリカのディズニーランドは案外空いてるから。どんなに人気のアトラクションでもせいぜい1時間だから。開園直後は大行列になっているから不安に思うかもしれないが、アトラクションが始動して客入りが落ち着いたタイミングを見計らえばものの30分ちょっとで乗れるから。

ミレニアム・ファルコンには当たり外れがある

さて、最初のチャレンジでシングルライダーの罠にやられ意気消沈してた僕だが、その落胆もファルコン号に足を踏み入れた瞬間に吹き飛んだ。

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いくつもの名場面を生み出した、ミレニアム・ファルコン内部。それがそっくりそのまま目の前に広がり、あろう事か壁や椅子やテーブルに触れることすらできたのだ。当然だろう。

このエリアのほかの場所ももちろん素晴らしい所だった。でも、やはりミレニアム・ファルコンの魅力には敵わない。なんと言ってもここは映画に登場した場所なのだ。「映画の中の世界」なのだ。

もうこの部屋を見るだけでアトラクションとして成立させて良いのではないかと思ってしまうほどの特別感。搭乗してからアトラクションが開始するまで数分あったのだが、体感時間ではほんの一瞬だった。

そしていよいよコックピットに案内される。もちろんそこも、(座席が増設されてはいるが)映画で見たミレニアム・ファルコンのコックピットそのものだった。(流石に乗り物の中の写真を撮るのはマズいと思って写真は撮ってないが)

さて、先ほど述べたように、このアトラクションではミレニアム・ファルコンを自分の手で自由に操縦することができるのだが、その際には6人のゲストで「パイロット(操縦士)」「ガンナー(砲手)」「エンジニア(整備士)」という3つの役割を分担し、全員で協力していかなくてはいけない。

そして、この時の僕には「エンジニア」の役割が割り当てられた。

座席に座ってまもなく、ファルコン号のエンジンが点火し、ミッションが開始する。そして僕はエンジニアとしてこのミッションに参加したのだが、ここで個人的な感想を言わせてもらおう。

正直エンジニアは外れだと思う。

エンジニアの役割は単純である。船体が何かに衝突したり攻撃を受けたりするたびに故障箇所に対応するボタンが光るのだが、エンジニア役はひたすらそのボタンを押すことで船体を修理、維持していればいい。簡単なお仕事だ。

でもはっきり言わせてもらうと、この作業はあまりにも地味すぎた。それに、パイロットやガンナーの様に自分の操作で乗り物の動きが変わったり派手なエフェクトのビームが出たりするわけでもないから、自分の行動がアトラクションの進行に貢献しているという実感も薄い。

そして極め付きはその座席。エンジニアに与えられた席はコックピットの一番後ろなのだ。

エンジニアは座席横にあるいくつものボタンから適切なものを選んで押さなくてはいけないため、必然的に横を向く時間が多くなる。その上で座席まで後ろにまわされてしまったら、前方に広がる景色を堪能することは容易ではない。やっぱり参加の実感は薄くなってしまう。つまらないとまでは言わないが、ほかのポジションと比べるとちょっと…、という感じだった。

そして二度目のチャレンジではガンナーを担当したのだが、ガンナーの方が圧倒的に楽しかった。トリガーとなるボタンを連打するだけでミッションを妨害する敵を次々と撃ち落とせる爽快感は素晴らしい。映画の中でも敵を撃ち落としたキャラクターは例外なくテンションを上げていたが、実際に体験してみてその気持ちがわかった。

というわけで、これから行く予定の皆さんはできればパイロットかガンナー役をやることをお勧めする。とはいえ、この役割分担は並んだ順に前から適当に割り振られる、完全に運任せのものであるため、狙ったポジションに着くことは容易ではないが。(僕もパイロットを目指して何度も挑戦したが、一度もパイロットになることは出来なかった)

もちろん、その際は通常列に並ぶこともお忘れなく。

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