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KOJI THE KITCHEN Academyで、地域に対して実現したかったこと

4/16・17日に開催いたしました。KOJI THE KITCHEN Academy、無事盛況に終わりました。内容については、有料の講座ということもあり、報告記事などをお待ちいただければと思います。

受講後のアンケートで、満足度が10段階評価で平均9点以上、半数以上の方に10点満点を付けていただきました。大変嬉しく思っております。また、この点数は、運営側だけでなく、受講いただいた方同士の協力もないと到達できないと思っており、受講された皆様の意識の高さと協力的な姿勢にも心から感謝しています。

さて、KOJI THE KITCHEN Academy(以下KTKA)で達成したかったことについて、地域の視点から書いてみたいと思います。KTKAを、どう東三河・豊橋に活かしていくか、です。

提供する価値に対して適正な値段を付ける実績

一番大きいのはここです。今回、一泊2日、昼食・ディナー・朝食・昼食の4食とホテル付きという条件もありますが、10万円弱の値段設定にしました。1泊2日の社員研修のセミナーとしては標準的な価格かなと思いますが、それでも、率直に、地元でも懐疑的な価格設定でした。

今回使用した施設の担当者の方にも、「かなり強気な値段設定」と言われました。しかし、そこで提供する講座の価値、積み重ねてきた技術と知識や、そこで提供される地元の食材の品質、料理のクオリティを考えると、「むしろ、まだ安いぐらい」に思っています。私は、この地域(豊橋、東三河)に欠けていること、そしてこれからの発展のために必要なことは、「自分たちの産む価値に適正な値段を付ける自信と勇気」だと思っています。


実際には、遠く海外からの参加者もあり、また、現役の大学生がお金を貯めて参加していただきました。そして、受講者の方からも、値段以上のものだったという声をいただきました。大変ありがたいことです。魅力あるコンテンツで適正な値付けであれば、ちゃんと集客できる。その実績を出せたことは大きかったと思います。

細部まで地元に拘り、知的労働の地産地消化

今回、麹を使った料理は、徹底的に地元産食材に拘りました。東三河の農産物と麹のマリアージュを、ホテルの総料理長に考案していただき、オリジナルのメニュー。また、昼食も麹のドレッシングに地元の食材を合わせ、講義中のお茶も地元の製茶園のお茶を提供しました。

と、ここまでは、『農産物の地産地消』の話。今回は、テキストや小道具なども自社社内内製で、出来る限り地元の印刷所を優先して印刷しました。農産物の地産地消が言われますが、豊橋のように農産物が盛んなまちでも、地域経済に占める割合は10%そこそこ。大半はサービス業が占めています。

東京のデザイナーや編集者に頼んで、東京の印刷所を使うと、お金が東京に流れてしまいます。それを、地元に住む自社の社員で製作し、地元の印刷所を使うことで、地元にお金が留まります。

地域活性のブランディングで、結局、地域外のコンサルタントや、デザイナーや、製作会社にお金が流れてしまうのは、地域活性の視点から言えばもったいない。

これからの地域活性化は『知的労働の地産地消がどれだけ出来るか』にかかっていると思います。

とはいっても、クオリティとの兼ね合いもあります。価格でも、東京の方が圧倒的に低コストなこともあります。このあたりは感覚的ですが、私は、『クオリティやコストについては2割の差なら地元に発注』と言うところをボーダーにしています。これは、クオリティやコストについて、地元にとってストレッチな目標を提示することにもなるので、地域で互いに成長していければと思います。

リカレント教育マーケット

そして、今回、『学び』をメインにした価値提供を行いました。私は、これからの地域が生き残っていくために有力なコンテンツは『学び』だと思います。

いわゆる、快楽的な体験、刺激的な体験では、都会に勝てません。地方が勝てる体験は、同じ刺激的であっても、ゆったりとした空間の中で、視点が変わるような、知的側に刺激的な体験の方が提供しやすいと思います。

また、他の地方から来ていただく際に、壁になるのが『交通宿泊費』です。つまり、コンテンツの魅力で、それを乗り越えていかなければいけないと言うこと。そして、『移動時間』という時間のコストも余計にかかると言うことです。

一方、これから人生100年時代とも呼ばれます。そのなかで、リカレント教育という言葉が使われています。社会人になった後も、必要なタイミングで教育機関や社会人向け講座に戻り、学び直すことを指します。 元々は、スウェーデンで提唱された言葉だそうです。

一般に企業の寿命が30年と言われる中、人生で3回転することになります。10代、20代で学んだ知識だけで、残りの人生を乗り切るのは難しい時代になってきます。

そこで、都会では出来ない、その地域の特長を活かした学びコンテンツを設計することは、地方にわざわざ人が来るための理由になると考えています。そして実際、今回は、初回にして、海外からも参加をいただきました。英語バージョンの要望もいただきました。

地方に人を集客する、大きな手応えを感じています。


と、『発酵』以外の視点で、今回の講座の意味についてまとめてみました。まずは一歩目の小さな成功体験ですが、しっかりと、地域に意味をもたらして、大きくしていきたいと思います。


最後までご覧いただきありがとうございました。 私のプロフィールについては、詳しくはこちらをご覧ください。 https://note.com/ymurai_koji/n/nc5a926632683