がんを予防するライフスタイル

がんに関する神話と事実

がんは多くの原因が考えられる複雑な疾患群であり、
発病の原因についても多くの情報が出回っています。

当研究所では、がんと栄養、体重、運動量との関係を中心に研究
していますが、その他の危険因子についても、科学的には間違っていても、
理にかなっていると思われる話を耳にすることがあります。

元記事　
＊このコンテンツの最終更新日は2022年12月13日です。

Other Lifestyle Risks

感染症と癌

がんのリスク：事実

全世界のがんのほぼ5分の1は、
ウイルス、細菌、寄生虫感染によって引き起こされると言われています。

がんリスクの上昇に最もよく関連する感染症は、
ヒト乳頭腫ウイルス（HPV）、B型肝炎ウイルス（HBV）および
C型肝炎ウイルス（HCV）、ヘリコバクター・ピロリ菌（H. pylori）である。

• HPV.
  HPVは一般的な感染症ですが、子宮頸がんや肛門がんなど、
  いくつかのがんにつながる危険性の高いタイプのウイルスもあります。
  HPVは、皮膚と皮膚の密接な接触、通常は性行為の際に感染します。
  バリアー避妊法を用いればリスクは減少する。

• HBVとHCV
  HBVやHCVに感染すると、肝臓がんを引き起こす可能性があります。
  これらの感染症は、血液やその他の体液を介して感染する可能性があり、
  最も一般的なのは性行為や薬物を注射するための注射針の共有です。
  ほとんどの国では、幼い子どもにはHBVに対する
  定期的なワクチン接種が行われています。
  また、安全な性行為を実践し、注射針を共有しないことでも
  リスクを減らすことができます。

• ピロリ菌
  ヒトの胃の内層で増殖する細菌の一種であるピロリ菌への感染は、
  世界的に、特に低・中所得国で非常に一般的である。
  通常、小児期にピロリ菌に感染すると、汚染された食物や水、
  口と口との直接的な接触によって感染する。
  ピロリ菌は胃潰瘍の原因となり、胃がんのリスクも高めます。
  ピロリ菌への感染は治療が可能であるため、胃の病気や
  潰瘍がある場合は医師に相談する必要がある。

• HIV
  ヒト免疫不全ウイルス（HIV）に感染している人は、カポジ肉腫、
  リンパ腫、肝臓がん、肺がんなど、いくつかのがんのリスクも
  高くなります。HIVの治療は可能なので、リスクがあると思われる人は、
  検査を受けることを医師に相談してください。

乳房インプラント（豊胸パッド）

がんのリスク：事実

ほとんどの乳房インプラントは生理食塩水（塩水）
またはシリコンジェルを含んでいます。

一部の乳房インプラントは周囲の乳房組織に漏出する可能性があります。
シリコン乳房インプラントからの漏出が乳がんのリスクを増加させるのか
どうかを調べるために、数多くの研究が行われてきました。

Breast Cancer

2016年にWHOは、乳房インプラント後に発症する可能性のある
T細胞リンパ腫（BIA-ALCL）が存在すると発表しました。

データは、報告が制限されており、乳房インプラントの販売数が
確認されていないため、残念ながら限られています。
乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫（BIA-ALCL）に関する
FDAの最新情報をお読みください。

Q and A about Breast Implant-Associated Anaplastic Large Cell Lymphoma

焦げた食品

がんのリスク：フィクション

焦げたり茶色くなったりした食品には、アクリルアミドが含まれている
可能性があります。アクリルアミドは調理過程で生じる
天然の副産物であり、アクリルアミドが癌の発生に関係しているか
どうかについてはいくつかの議論があります。

アクリルアミドが最も多く含まれるのは、
ポテトチップス、パン、朝食用シリアル、クッキー、クラッカー、
ケーキ、コーヒー（豆の焙煎による）など、
華氏248度以上に加熱されたデンプン含有量の多い加工食品である。

アクリルアミドは、でんぷん質の多い食品を高温で焼いたり、
ローストしたり、グリルしたり、揚げたりする家庭料理でも生成される。
たとえばパンをトーストすると、アクリルアミドが生成される。
トーストの色が濃ければ濃いほど、アクリルアミドは多く生成される。

しかし、アクリルアミドとがんを関連付ける研究は、
動物を用いてのみ行われてきました。
AICR/WCRFは、人を対象とした研究のレビューを実施し、
食品中のアクリルアミドとがんのリスク増加との間に関連はないことを明らかにしました。

コーヒー

がんのリスク：フィクション

コーヒーが癌を予防するという強い証拠はないですが、
子宮内膜癌と肝臓癌のリスクは減少すると言われています。
他のいくつかの一般的ながんに対するコーヒー摂取のエビデンスは、
予防効果または効果なしを示している。

Coffee: Lowers Risk of Liver and Endometrial Cancers

Liver Cancer

しかし、AICRはコーヒーの摂取について具体的な推奨はできない。
例えば、コーヒーの効用は定期的に、
あるいは大量に飲むことによるものなのか？
また、ミルクや砂糖を加えたり、カフェインレスコーヒー、
カフェインレスコーヒー、インスタントコーヒー、フィルターコーヒーを
飲んだりすることの効果に関する証拠も少ないのです。

一般的な健康に関しては、欧州食品安全機関（EFSA）の調査によると、
妊婦を含む健康な成人は、一度に200ミリグラム以下のカフェインを
摂取するのが安全であると言われています。

これはおよ約400mlのコーヒー、
またはコーヒーカップ2杯分のフィルターコーヒーに相当します。

1日に400ミリグラム（フィルターコーヒー約4杯分）までの
カフェインを摂取しても、ほとんどの健康な（妊娠していない）人々に
とって安全性の懸念は生じない。

さいごに

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