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短歌

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#短歌連作

短歌11:「ひとり彷徨う」30首

短歌11:「ひとり彷徨う」30首

広告に「楽しもう!」とか書いてある電車でみんな死んだ目してる 

気づいたら死んでたくらいの感覚で生きてみたいし死んでもみたい

帰り道知らない道を曲がるもうどこにも行きたくないはずなのに

丁寧な暮らしばかりが溢れてるタイムラインに殺される朝

沸々と小さな怒り沈めてくいちごがジャムになるのを見てる

悲しみは悲しみでしか救えない明るい歌は誰かの凶器 

吾輩は猫になり寝るだけでい

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短歌10:「憂鬱な帰り道」30首

短歌10:「憂鬱な帰り道」30首

なんとなく死にたくなった帰り道ネクターのない自販機に闇

まだ泣いてないから皆気づかないわたしがとっくに限界なこと

辛いなら頑張らなくていいなんて誰も教えてくれなかったよ

いつだって思ったことが顔に出る下手な生き方だけは上手くて

青春の抜け殻ばかり落ちている巣鴨駅前セブンイレブン

帰り道コンビニで買うロング缶1駅分の逃避行です

憂鬱と歩いて帰るこの街は今日も誰かの心を殺す

悲しみに不安

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短歌05:「孤独の泣き場所」 30首

短歌05:「孤独の泣き場所」 30首

その中に私は多分含まない「誰か遊ぼう」「皆大好き」

幸せなあの子のインスタ見ながら温めている冷凍食品

頑張った今日もなんとか生き延びたホールケーキはひとりで食べる

百均で必要のないものを買うそんな余裕が今は足りない

音楽を続ける彼等、観客の何者にもなれなかった僕

誰にも守られないから私は今日も1人で傘をさしている

君だけは許してあげて君だけは無様な僕をどうか許して

この場所で待ってい

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短歌04: 「笑い声が聞こえる」30首

短歌04: 「笑い声が聞こえる」30首

値引きシールに喜んで終わる今日主人公にはなれない僕達

神様にだって真夜中泣きじゃくることで耐えてる悩みもあるさ

満員の電車に溢れるため息と沈黙の中笑う広告

失った日々も君もそれでもまだここからずっと 動けずにいる

前向きに歩めばいいよこの線を踏み出し前へ歩めばいいよ  

ダメですか?このまま独り生きるのはでは死ぬのなら構いませんか?

「平気?」「はい、大丈夫です。」「もう少しだけ頑張り

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