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短歌04: 「笑い声が聞こえる」30首



値引きシールに喜んで終わる今日主人公にはなれない僕達

神様にだって真夜中泣きじゃくることで耐えてる悩みもあるさ

満員の電車に溢れるため息と沈黙の中笑う広告

失った日々も君もそれでもまだここからずっと 動けずにいる

前向きに歩めばいいよこの線を踏み出し前へ歩めばいいよ  

ダメですか?このまま独り生きるのはでは死ぬのなら構いませんか?

「平気?」「はい、大丈夫です。」「もう少しだけ頑張ります。」(死にたいです)

なにもかも間違いだったらいいのに答えなんかあってもなくても

この先もどうせあるのは平凡な日々だけそれならいっそのこと

悲しみを救ってあげる今だけは何者にだってなれなくていい 

振り出しに戻って二度と進めないこの人生のゴールが見えない

永遠の終わりを思う騒がしい待合室でひとり静かに

すれ違う人の視線や笑い声、自分を殺す凶器みたいで

秒針が私を責めるまだ何も成し遂げてない私のことを

もういいよ終わりにさせて私には天国なんていらないからさ

誰もが幸せ求めて生きているそれが「普通」普通の生き方

結末を満足そうに笑うハッピーエンドの続きも知らずに

メーデーメーデーここです救って私を救って早くもう無理

なにもない街で育ったから僕は何者かにはなれる気がした

週末の孤独を満たすアルコール壁から笑い声が聞こえる

そんなに頑張って心壊れても誰も治してくれやしないよ 

配役の話し合い中寝たふりのお姫様にはなれない私

気づいたら朝になって夜になって死んでいったりするんだ。またね 

不確かな夜空が落とす哀しみに壊れた傘と見えない明日

願っても星にはなれない私たち朝が来るのを待つだけの夜

少しずつ失う気配に色を足す笑いあえればそれで良かった

葉桜が終わりを告げる好きだった愛想笑いが上手な君が

君が誰を好きでも嫌いでもいい私のことを見ないとこがいい

私メリーあなたの後ろ泣きそうな背中をそっと抱きしめていい?

生きてとか無責任だし言わないよ「またね」一緒に紅茶を飲もう








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