チームの発達段階を知って、カオスを受け止める
cappy @capibara212さんらとのやり取り。思えば10月5日。チームを運営するという新たなチャレンジをちょうど始めた時期でした。
その時に、「宇宙兄弟の組織開発本を読むべし!」と教えてもらっていました。これを時間差でやっと読んだところ、特に「チームの成長プロセス」についての言及が面白かったので紹介。
cappyさん、紹介してくれてありがとうございます。
1. 漫画・宇宙兄弟と組織開発
読んだことがある人が多いかもしれません。「漫画・宇宙兄弟」。ムッタとヒビトという宇宙飛行士の兄弟が色々な壁にぶつかりながら、成長していく姿を描く物語。一見、頼りなさそうなムッタが見せる芯の強さや、ヒーローで完璧そうなヒビトが苦悩する姿を色々な登場人物との掛け合い、エピソードを通じて描かれています。
確かに、宇宙に向かうクルーは数人から成り立つチームであり、そして、彼らを支える人たち、そして、それぞれの宇宙飛行士を宇宙に向かわせる理由になっている人たちも含めると、様々なチーム、人の関わりが存在しています。
「宇宙兄弟」はそもそも心をジーンとさせる場面が多い漫画で、そこから紡ぎ出されるチームに関する学びは、とても興味深いものでした。
2. チームの成長法則
「宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいくチームの話」は、漫画の登場人物やエピソードとともに、リーダーシップの分類も紹介してくれているのですが、本noteでは個人的にもっとも印象に残った「チームの成長法則」の話を紹介します。
同著によると、チームには成長法則(4つのステージ)があるそうです。これは、著者の長尾さんが『全てのチームに通用する成功法則はないと断言する僕が唯一、「法則」としてあげているもの』です。
長尾さんからの注意として、この成長法則は必ずこの通りになると言う原理原則ではなく、組織やチームをこの視点で見ると成長を促しやすくなると言うものの見方(フレームワーク)なので、とらわれすぎないようにとのことです。
今まで、個人のキャラクター・リーダーシップや、組織のストラクチャーなどについては過去にで触れる機会があったのですが、チームの成長過程に着目したフレームワークは初めて触れました。
確かに、言われてみれば、今までのチーム体験を振り返ると、何かをきっかけにチームになっていったなという経験もあれば、逆になかなかチームとして機能していかないなと感じた経験もあったことを思い出しました。
3. 最初の2、3週間モヤモヤしていたのは当然だった
この章を読んで思い出したのは、新たにチームを組成した10月1日以降の2、3週間のことです。
10月1日から、2つの部署を同時に見始める時に、私は、おぼろげながらもこんなことをやれたらいいのかなとイメージしてはいたものの、同時にしっかり具体化していかなきゃなと思っているところでした。
この時期に、メンバーから要望が次から次への出てくる。要望だけでなく、そもそも、何をすればいいのか?という質問も出てくる。色々なものを同時に突きつけられて、正直、クタクタでした。顔にも出ていました。ごめんなさい。おそらく、メンバーも不満・不安があった時期だと思います。
ただ、この時期をフレームに照らして振り返ると「1:フォーミング」、もしくは「2:ストーミング」にいたのかなと感じます。要は各メンバーの役割や目標が明確でなく、モヤモヤしていた時期だったのかもしれません。メンバーの反応としては、あるべくしてあった時期なんだろうなと。
これから、どんどん状況が変わっていくので、一概に言えないのですが、先日、チームの「ミッション・バリュー」を定めたり、下期の目標設定をしたりすることで、徐々に「3:ノーミング」に染み出しているのではないかと思います。(徐々にね)
4. 同じフレームでチームを認識する
このチームの成長法則に照らして、いくつかの問いかけを定例にて、メンバーに問いかけてみました。
・私たちのチームがどこに位置付けられていると思うか?
・先のステージに進むには何をすればいいのか?
概ね、今のチームの位置付けの認識は共通しているようでした。10月のモヤモヤも各々思い出して、少し苦笑する姿も。そして、先のステージに進むには?という答えはもう少し色々話してみると、何かが出てきそうでした。
このフレームをシェアすることは、現状のチームの状況を同じフレームで認識し、チームを次に進めるには、何に取り組めばいいのかを討議しやすくなることだなと感じました。
今後のチーム運営に活用していこうと思います。
5. ストーミングこそチームづくりの醍醐味かもしれない
今回、チームの発達プロセスに鑑みて、大変だなぁと感じた時期(フォーミングやストーミング)を超えて(まだ超えてないかもしれないし、今後もアップデートが必要)、思うのは、その時期の大変さこそ、コンサルでは味わいにくいものかもしれません。
ここではまさしく、求められるリーダーシップが、エキスパート、プロジェクトマネジメントとも違った、もう少し、メンバーの心情や関係性に関するところを注意深く見ていくもの。
下で言うところのチームのあり方やメンバーの動機付け、役割分担を行なって、チームを組成していく「チームマネジメント」が求められる時期でした(今も、これからも状況が変わり次第、アップデートしていくものです。何度も言う)。
ここを超えたからこそ、チームとしての一体感を持って働いていくことができるのでしょうね。だからこそ、その前にあるストーミングにおける対立や衝突は必要なプロセスとして避けて通ってはならないのでしょう。
6. おわりに:「対話」について
ということで、益々深まっていく組織開発。チームはメンバーの関係性だと、言葉にしながらも、その関係性がチームのフェーズによって、変化していくものだという観点は実に新鮮でした。
このチームのフェーズというものがフレームワークとしてあるんだよということをチームメンバーで共有しておくのは、客観的にチームの状況を見ることができると言う意味で大変意義深いと感じました。
各メンバーが同じフレームを持って、客観的にチームの状況を把握することは、チームを次のステージに進めていく時にも、そのために組織的に注力することができると思うからです。
そして、そのステージを進めていくのにあたり、鍵になるのは「対話」なのかなと想像しています。近いうちに、対話についてnoteしそうな気がしています。
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[Profile]
宮澤佑輔 | Supershipグループ 経営戦略本部 ビジネスプロセスデザイン室室長・事業管理部部長 | ファイナンス・ビジネスプロセス・組織開発 | PwC(監査)・KPMG FAS(M&A/Strategy)・サイバーエージェント子会社(暗号資産/ブロックチェーン)を経て現職 | 公認会計士 ヨガ講師資格保有
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