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山際響
2019年3月25日 22:29
その日は朝から雪が降っていました。 十歳だった私は、マンションの窓から見える雪景色を見て興奮していました。 普段は私を憂鬱な気分にさせる高層ビルが、真っ白に染められ、輝いているところを見るのは気分がよかったです。そして同時に、相も変わらず冷め切った母の態度に失望した事もよく覚えています。雪が降っている、と私が声を弾ませても、外を見もせず、そうなの、とだけ呟きました。 私は母に、母らしい事