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杳 芽具見
2019年11月21日 23:21
釘は流水で洗い短冊切りにした人参と和え、中火でじっくりと炒める。人参に火が通ったところにごま油を少々垂らし、短冊切りにした玉ねぎを加える。生姜を大匙半分、醤油と味醂と酒を各大匙一を混ぜたものを投入し、とろみがつくまで炒める。青磁の皿に盛り付け、七味唐辛子をふりかけてから食卓へ出す。 そこにはすでに、冷奴、隠元の胡麻和え、味噌汁などが並んでいる。夕餉は、赤い食卓燈に照らされ艶めき、食欲を唆った。
2019年11月6日 23:04
耳が痛いから病院に行ってきたが生憎休診でね。 そう言う土岐に茶を出すと、茶柱が立つぞ縁起がいい、などとはしゃぐ。勿論そんなものは立っていない、出枯らしの茶だ。 「耳がどうしたって」 土岐は大きすぎる鹿撃ち帽を被り、耳当てを降ろして耳を隠していた。いつまでも脱がないところを見ると、どうしても隠したいのか勿体ぶっているだけなのか、きっと十中八九後者である。 今朝方までちらついていた雪も