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慢性運動不足な私が14日間筋トレをつづけたら人生が覆った話

昼に目が覚めた。
びっくりした。
昨夜はいつもよりも早く寝たのに。
たぶんそれが問題だった。
寝床に入ったときに「よーし、今日はいつもよりたっぷり寝るぞー!」と心の中で唱えてから寝た。
私は寝る前に心の中で唱えたことが睡眠にかなり影響する。
「やばい!明日は早く起きなきゃ!」と思って寝ると、アラームよりも早く目覚めるし、ほんの小さな物音や光にも敏感に反応して目覚められる。
「ゆっくり寝るぞー!」と思った日には、10時間経っても同居人が横で目覚めても気を失ったかのように寝つづける。

昨夜はいつもよりも早いと言ってもたったの1時間早かっただけ。
それにもかかわらず私は「よーし、今日はいつもよりたっぷり寝るぞー!」と唱えてしまったのでこんなことが起きた。

しかも最悪なことに今日は週に一度のお買い物の日。
火曜日は農協のたまごとバナナとお肉が少しだけ安いのだ。
それなのに起きたら昼だった。
ただでさえお買い物に1時間かかるのに、午前中をまるまる睡眠に使ってしまった。
勉強のノルマも筋トレのノルマも何ひとつ終えないまま昼になった。

同居人と朝なのか昼なのかわからないごはんを食べる。
気持ちは8割くらい買い物に行かない方に傾いている。
同居人が「行くのやめなよ。明日で良いよ」とひとこと言えば、全会一致で買い物に行かないことが決定する。
けれど彼は「行っておいでよ」と言う。「今日の筋トレをやってから行くのはどう?」とも。
たしかに今日は14日間つづけてきた筋トレの最終日という記念すべき日だ。
もしここで買い物に行かなかったら、記念すべき日に質素な食事をすることになる。
しかも筋トレはやったけど他のことは何ひとつできなかった日、という烙印を勝手にひとりで押してしまう。
そんなわけには行かぬ!午後からだって完璧な一日は作れるのよ!
すぐに買い物に出掛けたのは言うまでもない。

ちょっと嫌だな、と思うときに、「ええい、やってやれ!」という強い気持ちを呼び起こしてくれるのは、毎日の筋トレと勉強の習慣だと思う。
毎日やりつつも内容は気まぐれにまかせたり、決めたノルマが多すぎて達成できないまま次の日を迎えたりした頃は、ちょっと嫌だな、と思うことが現れると、簡単に「やめよ」と思ってしまっていた。
けれど、自分にとってほんの少しだけ頑張れば良いくらいのノルマを毎日同じようにやりつづけていると、毎日ちょびっとだけ「ええい、やってやれ」と無意識的に思っているので、本当に嫌なことが現れたときに力強く「ええい、やってやれ」と思うことができる。
いわば「ええい、やってやれ筋」の筋トレである。

長年の運動不足がたたり、しゃがんだ状態で肩を押されると物理法則に則ってコロンと転げて立ち上がれなかった私が、14日間の筋トレを続けた。
精神面以外にも今までの29年間の人生が覆されるような変化があった。

初日は手本の映像と同じ体勢が取れなかった上に、10秒に1回は休憩しないと筋肉が爆発してしまいそうだった。
14日目のわたしは、信じられないかもしれないが、より筋肉に効くように動きを工夫し始めている。
もうちょっと肩を後ろにしたほうが背筋に効きそうだぞ、とか、お、先生(映像で筋トレをされている方)の腹筋が動いているのに私のは動いていない、ということは姿勢に違いがあるのではあるまいか、とか。
7日目くらいに筋トレが楽になりはじめ、8日目以降は負荷を加えはじめた。

動きを工夫するのは筋トレ中だけではない。
筋トレの中でいろいろな体勢をさせられいろいろな筋肉を動かしているので、日常のなかでも「あれ、この体勢、筋トレのあれと似てる。ていうことはもう少し腕を上げれば…おぉー!効く!」なんてことをやっているのだ。
近所のお店でも車で行く慢性運動不足のわたしが、自ら筋肉を働かせているのである。

最も驚いた変化は、立位体前屈で床に手がつくようになったことである。
わたしは中学生くらいから身体がかたくなりはじめ、高校生くらいには、立位体前屈は膝までしか届かなかった。もはや前屈していないも同然である。
体力テストの長座体前屈では、いつも測定器を指で押してズルをするものだから「はい、やり直し」と何度も言われ、誰よりも時間をとっていた。
その私が、29歳にして、床に手が届くようになったのだ。
このまま身体が硬い人生を送るのだと思い続けていたわたしが、「身体?まあまあ柔らかいよ。見る?」と言えるようになったのである。

運動に慣れていないわたしは、筋トレと身体の柔軟性にどんな関係性があるのかを知らない。
でもよく考えると、身体の硬化が始まった中学生の頃は、ちょうどわたしが人生の中で唯一やっていた運動である水泳を辞めた時期である。
やはり運動と柔軟性には何か関係があるのだろう。


ちなみに体重は1kg程度しか変わっていないし、見た目もわたしと同居人が気づく程度にしか変わっていない。
けれど、最近太って見えるので着るのを辞めていたワンピースを今日久しぶりに着てみたら、腕周りと首周りが少し楽になっていた。
もう少し継続したら、同居人以外が見ても「あれ?なんか痩せた?」と言ってもらえるような体型になるかもしれない。
そのためにはまず知り合いと会わなくてはならないが。


とりあえず今やっているプログラムは完走したが、筋トレはもう少し継続しようと思う。
二の腕はまだ引き締められそうなので、今のものを継続。
背中はかなり引き締まったように見えるがトレーニングがだいぶん楽になってきたので、少しレベルの高いものに挑戦する。
お腹は下っ腹が気になってきたので、下腹用のトレーニングに変更。

「ちょびっとだけ頑張れば良いくらいのノルマ」が重要な気がするので、変に欲張らずにこの程度にしておく。


毎日のちょびっとの「ええい、やってやれ」が、わたしのキレイを作るなら、わたしは何日だって「ええい、やってやれ筋」の筋トレを続ける!
次の14日には魔の生理週間がやってくると思われる。
それをどう乗り越えるかが来るべき課題だ。
すでに、ちょっと嫌だな、と思ってしまうが、ちょっと楽しみだな、とも思う。



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