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『タイタンズ〈シーズン4〉』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5 

スーパーマン最大の敵であり、ブルース・ウェインすらも恐れたレックス・ルーサーが謎の死を遂げる。その背後には、タイタンズが倒したはずの悪魔 トライゴンを崇拝する者たちの新たな動きがあった。

2018年から始まった『タイタンズ』の最終シーズン。ただし、最初から最終シーズンとして作られていたわけではなく、脚本家たちが次のシーズン5のアイディアを出し合った後にシーズン4で終了になることが決まったそう。そんな事情を抱えたシーズン4だが、しっかり「最終シーズン」に仕上がっていたと思う。

戦闘シーンがイマイチだとか、ジンクスの扱いが悪いだとか、コナーの闇堕ちが唐突だとか、犬の活躍がないだとか、不満もあるにはある。けれど、若きヒーローたちの活躍と、人が備える善と悪の二面性についてを描いてきた物語の集大成として、満足のいく内容だった。シーズン1の事件を掘り返してきたところも、最終シーズンらしい盛り上がりを感じられる。

なんというか、最終シーズンにして遂に求めていた『タイタンズ』になった印象。ディックの呆れた元カノ話は相変わらずなものの、ディックの拗らせ劇場ではなくなり、バットマンのスピンオフっぽさもなくなった。そうそう、こういう若者版ジャスティス・リーグを観たかったんだ……。ガーとティムにちゃんとヒーロースーツが与えられて嬉しい。

シーズン4は、『フラッシュ』や『スターガール』などの他のDC作品とのちょっとしたクロスオーバーもあり、終焉を迎えたグレッグ・バーランティ製作のDC作品の一つの終わり方としても好かったと思う。本音としては『フラッシュ』で構想されていたような本格的なクロスオーバーを観たいが、胸にこみ上げてくるものが確かにあるクロスオーバーだった。

タイタンズと関わりが深いドゥーム・パトロールに関しては、『ドゥーム・パトロール』の方ではなく、この『タイタンズ』の世界の方のドゥーム・パトロールを出してきたのが粋だ。この世界にもサイボーグがいると分かり、また色んな物語の可能性が見えて心踊った。

陰鬱な展開も少なくなかった『タイタンズ』だが、シーズン4はそれを「夢と希望が届けられる前夜」、すなわち「クリスマス・イブ」と云い表し、タイタンズの一人ひとりに希望に満ちた未来が待っていることを示した。最後はスーパーマンの血を継ぐコナーが空を飛ぶ場面で終わる。DCコミックスにおいて「夢と希望」と云えば、スーパーマンの空を飛ぶ力だろうから。

なんて素敵な終わり方なんだろう。

……それにしても、無闇には人を殺さないとは云え、殺す時は結構殺すタイタンズが、顔パスで重要施設に入れるレベルでヒーローとして認識されているって、この世界の人々の倫理観がちょっと恐ろしい。


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