記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『タイタンズ〈シーズン3〉』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5 

ジョーカーに殺されたはずの2代目ロビンことジェイソンが殺人鬼 レッドフードとしてゴッサム・シティに姿を現す。ディックはジェイソンの凶行を止めようと、アーカムに収容中のスケアクロウに協力を仰ぐが……。

2年越しの新シーズンだけあるのか、それともHBO maxに移籍したからなのか、これまでよりも段違いで面白い。相変わらずDCコミックスの知識がある程度必要な「DCコミックス中級者以上向けエルス作品」といった作りだが、ちゃんと熱くて泣けるヒーロードラマに仕上がっている。

こうも面白く感じられるのは、物語の進行が小気味良いのは勿論のこと、犯罪都市や宇宙など登場人物ごとに背景の世界観が異なりながらも、物語の中心軸である「タイタンズ vs レッドフード&スケアクロウ」が揺らいでいないからだろう。

タイタンズの主な面々は、孤児であったり被虐待児であったりと愛に恵まれなかった過去があり、怒りや闇の力など制御困難なものを抱え、そのことに自ら恐怖しているという点で共通している。そんなタイタンズがシーズン3では、自分たちと同じように恐怖を抱える存在=スケアクロウと対峙する。

仲間とお互いに助け合って恐怖を乗り越えていくタイタンズ。これに対し、スケアクロウは自分自身が恐怖の存在となることで恐怖を乗り越えようとする。この対の構造が面白い。主役のタイタンズだけでなく、悪役のスケアクロウにも成長劇があるというのが、この構造をより印象的にしている。

一方、レッドフードと化したジェイソンが象徴するのは、タイタンズのヒーローであっても、タイタンズという仲間との繋がりが失われれば、スケアクロウのような悪に墜ちることも有り得る、ということなのだろう。

過去2シーズンは『タイタンズ』というタイトルに反して、ディックばかりが活躍していた。しかし、シーズン3は舞台がゴッサム・シティでありながらも、バットマンの後継者云々の話には流されず(誰も2代目になろうとしなくて笑う)、しっかり「タイタンズの物語」になっていた。最終回でタイタンズ全員が活躍していたのをとても嬉しく思う。

ところで、デスストロークの娘のローズ(息子のジェリコでもある)は一体どこへ消えたんだろうか。


関連記事

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?